お礼の品はあまーいタルト ページ1
Trey side
あの後、何事もなくリドルは目を覚ましたし、本心を全て話してくれた。
本当はマロンタルトが食べたかったし、薔薇は白がいいし、フラミンゴもピンクで良い。
お茶に入れるのは角砂糖よりも蜂蜜が好きで、レモンティーよりもミルクティーのが好きなこと。
食後のおしゃべりもしたいし、もっと沢山、俺達と遊びたかったことも。
俺達だけじゃ、リドルをあんなにも早くブロットから解放することは出来なかっただろうし、あそこまで早く目を覚まさなかったかもしれない。
全部全部、Aがアザマルと呼んでいた刀でブロットを斬ってくれたからだ。
なのに……俺はリドルが斬られたっていう表面上の情報だけで判断して、Aを叩いてしまった。
｢ボクのことを思っての行動だというのは嬉しいけれど、女性を叩くのは頂けないよ｣
｢分かってる。あいつに謝らなくちゃいけないな｣
｢ボクもだよ。なんでもない日のパーティの時、彼女はボクのことを正そうとしてくれていたのに……ボクは何も受け入れなかった｣
リドル曰く、Aは毎朝決まった時間に寮の鏡から出てきて学校へと向かうらしい。
何で知ってるのか不思議だったから聞いてみたら、リドルとAは一緒に登校していたって……おいおい、しかも"あの"リドルから誘ったのか。
｢いない、ね｣
｢本当にこの時間なのか？｣
｢うん、何時もはこの時間に待ち合わせをしていたんだ。けど……避けられているかもしれない｣
リドルの冷静な考察に、俺は心が痛むのを感じて胸に手を当てた。
どうしてAがハーツラビュルまで来てくれたのかをケイトに聞いてみたら、あいつが勝手に腕を引っ張って連れてきたって言っていた。
つまりAからすれば、ケイトによって巻き込まれた上にリドルの暴走を止めるのを手伝わされ、挙句の果てには俺に叩かれたということ。
そりゃあ、普通は避けるよな……。
すると、前の道をヴィルが歩いているのを見つけた。
ヴィルはポムフィオーレ寮の寮長だし、綺麗なものが好きだから、きっとAには特別に目をかけている筈。
｢すまない、ヴィ……ル｣
凄い目付きで睨まれてしまった。
顔面偏差値が高い分、睨まれた時の迫力が凄まじいんだが……普通に怖いぞ。
隣には副寮長のルークもいるが、彼の笑顔も闇深さを漂わせていて話しかけにくい。
｢よく、アタシに話しかけられたわね……アンタ｣
そこには般若がいた。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
