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｢しかもこれ、隠し味って量のしょっぱさじゃないよね。どんだけ沢山入れたの？｣
｢だ、だって適量とか言われても分からないだろう？ 何cc使うのか正確に教えておいてくれないと……｣
しゅんとして主張するリドルだったが、唐突にトレイが顔を上に向け、腹を抱えて笑い始めたことによってきょとんとする。
そして、彼につられてリドルも笑い始めた。
｢……プッ、あはは！ まさかあの冗談を真に受けて、本当に入れる奴がいたなんて……あはははっ！！｣
｢……あは、あはは、そうだね。馬鹿だな、ボク……あはははっ！｣
彼らの笑顔に更につられてデュースやエース、ユウ達も大笑いし始める。
一度口をつけたものを残すのは申し訳ないし、礼儀として有り得ない行為だと認識しているAは早々にタルトを完食していた。
お口直しに何か別の甘いものを食べようと周囲を見回していると、とんとんと後ろからケイトに肩をつつかれる。
｢はい、これ。Aちゃん甘いもの好きでしょ？ トレイくんが、Aちゃんの為にお詫びとして作ってきた苺タルトだよ｣
｢はは、悪いな。俺の特技といえはコレだし、変に物を買って渡すよりもお前の気も楽かと思ったんだ。甘いものが好きなら良かったよ｣
｢感謝致します……んむ｣
色の深みが違う、Aの青色のオッドアイがきらきらと輝いているような気がして、トレイとケイトは顔を見合わせて微笑んだ。
先程とは違って黙々と食べ進めている彼女は、宛らハムスターやリスのようにも見える。
小動物感満載なAのことを見つめていたら、グリムが衝撃的な言葉を発した。
｢でも、何かこれはこれで美味い気がしてきたんだゾ！｣
｢あ、それ分かるかも。案外悪くないよね｣
｢ダイヤモンド先輩もグリム並にゲテモノ食いじゃないですか！｣
｢いやいや、そんなことないって！｣
それはまあ、ケイトからすればしょっぱいタルトは美味しく感じるだろう。
Aとトレイの声が揃った。
｢このタルトは甘くないから悪くない、だろ？｣
｢このタルトは甘くないですからね｣
｢えっ？｣
｢お前、甘いもの嫌いだもんな｣
｢貴方、甘いものはそこまで好きではないのでしょう｣
｢そうなんですか？｣
｢えっ、えっ……トレイくんにAちゃん、何で知ってんの！？ 俺、甘いもの苦手だなんて誰にも言ったことないんだけど｣
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
