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ふわり、ドレスの裾がほんの少しだけ舞い上がる。
リドルに優しく手を引かれたままパーティ会場へと歩いていくと、会場の生徒達から一斉に視線を送られた。
｢A！？｣
｢何でお前が！｣
｢うわぁ、Aちゃん凄く綺麗だね！｣
｢昨日ぶりですデュースさん、エースさん、それにユウさんとグリムさんも。皆様も正装されているようで｣
ケイト曰く、パーティに参加する時は必ず正装をしなければならない、というハートの女王の法律があるらしい。
半分無理矢理とはいえ、ヴィルにドレスアップしてもらって正解だったようだ。
Aが内心一人で納得していると、ふと周囲からの視線が凄まじいことに気が付いた。
理由が分からず、彼女はほんの少しだけ眉を顰める。
｢不躾な視線が幾つも……不愉快です｣
｢それは仕方がないんじゃないか？｣
｢トレイさん、それにケイトさんではありませんか｣
｢やっほー、Aちゃん。うわっ、その格好綺麗すぎ！ めちゃくちゃ似合ってる！ 映えるじゃん、後で写真撮ろうよ〜！｣
｢Aも来たんだな。エースかデュースに誘われたのか？｣
｢――いや、ボクが誘ったんだよ。トレイ｣
｢リドル！？｣
後ろから近付いてきたトレイとケイトの更に後ろに現れたリドルに、六人はぎょっと二重の意味で驚く。
まず一つ目は唐突に彼が現れたこと、二つ目はAのことを彼が誘ったことにである。
パーティの完成度を確かめ終わったらしいリドルは自然と彼女の横に立って、手に持っていたアイスティーの注がれたグラスを手渡した。
｢……あれ、本当に寮長か？｣
｢信じられないんだゾ……｣
｢リドルくん、ゲロ甘じゃん｣
すると、エースが背中に何かを隠しながらリドルへと近寄っていった。
どうやら彼、前にタルトを摘み食いをした件について謝罪するべく、このパーティに向けてタルトを作ってきたらしい。
｢よし……。あの〜、寮長｣
｢キミは……ああ、タルト泥棒の一年生か｣
｢えーっと、タルトを食べちゃったことを謝りたいと思って。新しくタルトを焼いてきたんですけど｣
｢ふぅん？ 一応聞くけど、何のタルトを？｣
｢よくぞ聞いてくれました！ 旬の栗をたっぷり使ったマロンタルトです！｣
甘くて良い香りのするマロンタルト。
料理が得意で甘いもの好きなAから見ても、まるで既製品のような立派な品であった。
｢マロンタルトだって！？ 信じられない！｣
が、しかし、彼の御眼鏡に叶わなかったらしい。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
