なんでもない日のパーティ ページ39
｢おはようっ、A｣
学校へ行く為に寮を出ると、リドルが近くの壁に凭れて彼女のことを待っていた。
にこやかに挨拶をされたので、Aも静かに会釈をしてから彼に挨拶の言葉を送る。
｢今日も一緒に行っていいかい？｣
｢ええ、勿論｣
行き道で話しているのは何気ないことだ。
魔法薬学でこんなことを習った、体力育成でこんなことをした、順位は何番だった、二年生ではこんなことを習う等々。
Aから話したのは"霊力を取り戻した"ということだけであったが、リドルはそんな些細なことでも彼女の話を聞けて嬉しそうにしている。
ポムフィオーレ寮の特待生であるAと、ハーツラビュル寮の寮長を務めているリドルが一緒に登校していることに、周りの生徒は驚愕していた。
｢そういえば……キミはポムフィオーレ寮で上手くいっていないのかい？｣
｢何故でしょう｣
｢その、ボクと一緒に登校してくれるのは嬉しいけれど、断られたことがないから……友人はちゃんといるのかい？｣
｢親しくさせて頂いている方はいらっしゃいますが、生憎寝坊助さんでして。私が普段寮を出ている時間だとあわないのです｣
勿論エペルとは仲が良いのだが、マジフト部の練習で疲れきっている為に深く眠っていることが多く、Aが寮から出る十分前に起きるので時間が合わないのである
という訳で、Aは基本的に朝は一人で行動しているのでリドルの心配は無用なのだ。
｢そうか、なら良かったよ。これからも一緒にいてくれるかい？｣
｢貴方さえ良ければ｣
リドルは嬉しそうに笑顔を咲かせた。
そして、彼はAにとある誘いをする。
｢キミさえよかったら、明日の『なんでもない日のパーティ』に参加しないか？｣
｢なんでもない日のパーティ、ですか。特に用はありませんが……それは私が参加しても構わないものなのでしょうか｣
｢ああ、勿論。それにキミが参加してくれるとボクは嬉しいよ｣
｢なれば、喜んで｣
快い返事を貰えたことにリドルは胸を撫で下ろした。
クロウリーから寮長にだけ伝えられた話だが、実はAのポムフィオーレ寮への在寮は絶対ではないらしく、彼女は別の寮へ転寮することが可能であるらしい。
つまり、彼女の気持ち一つで勝者が決まるのだ。
寮長の中でAのことを煙たがっている者などおらず、誰もが興味関心を抱いている。
リドルは、なんでもない日のパーティが彼女の心に響けば良いと思ったのだ。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
