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｢今朝ぶりですね、リドルさん｣
｢うん、今朝ぶりだ。初めての魔法の授業はどうだったかな？｣
｢興味深いですね。それに、知識は力であり武器です。持っていて損はありませんから｣
｢関心だね｣
笑うことの少ないリドルが頬を緩め、にこにこしながらAと和やかに話している光景にエースは口を開いたまま固まった。
生徒に対して厳しく、八百十条もあるハートの女王の法律を暗記して振りかざす横暴な寮長、というイメージしかなかったからである。
それがどうだ、自分の同級生に対しては途轍もなく甘いではないか。
男女贔屓でもしているのかと思ったが、リドルがそんな下らないことをする筈もないだろう。
｢ボクはハートの女王の法律・第339条、『食後の紅茶は必ず角砂糖を二つ入れたレモンティーでなければならない』を守る為に、購買に角砂糖を買いに行かなきゃいけないから、これで失礼。……またね、A｣
｢ええ、また｣
エースとケイト、トレイの三人に細かい注意を行ったリドルは訳を説明してから踵を返して、此処から去っていった。
エースはぶすっとむすくれていて、ユウとデュースはリドルの威圧感に竦み上がり、ケイトとトレイは苦笑いをしている。
｢ひぇ〜。焦った〜。｣
｢超カンジが悪いんだゾ、アイツ！｣
｢コラ！ 失礼だぞ！｣
｢……寮長は、入学してから一週間も経たずに寮長の座についた。少し言葉がキツくなりがちだけど、寮を良くしようと思ってのことで、根は悪い奴じゃないんだ｣
Aとしては、どっちもどっちに思えた。
勝手にタルトをツマミ食いして開き直っているエースも悪いとは思うが、確かにリドルもリドルで気難しく、自分にも他人にも厳しすぎるところがあるだろう。
癖の強い武将達に囲まれていた彼女だからこそ、彼の傍にいても何も思わないが、普通の人間ならばユウ達のように竦み上がってしまうのかもしれない。
黙々と食事を続け、漸くスイーツを食べ終えたAは食器を纏めて席を立った。
｢あ、もう行くの？｣
｢植物園に行きたいので、私はこれにて｣
｢またな、なんだゾ！｣
｢じゃあな｣
｢ばいばーい｣
＊＊＊
彼らに言った通り、Aは大食堂からそのまま植物園へとやって来ていた。
自然も、動物も好きだ。
こちらから相手に対して何か行動を起こさない限り不機嫌にならないし、何かを傷つけることもないからである。
久し振りの自然本来の香りに包まれ、ゆっくりと瞳を閉ざしたその時、後ろに気配を感じた。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
