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｢Aちゃん、行こうか｣
｢そうしましょうか。面倒ですけれど……｣
｢とんだ巻き込みだからね｣
呼ばれたのはAだけだが、何故かエペルはついてくると言って譲らなかった。
理由としては、男子校で唯一の女子生徒であることと、エースのことを信用出来なかったから。
彼女のことを守らなければならない、という純粋な使命感からの行動である。
授業が終わってすぐに大食堂に向かうと、まだグリムとユウしか来ていなかった。
一日中掃除をしていたらしく、二人共にクタクタな様子でエースがやって来るのを待っていたようだ。
｢あ！ Aさん！｣
｢どうも｣
｢……と、君は？｣
｢Aちゃんの付き添い。僕のことは気にしなくていい｣
｢そ、そっか｣
不貞腐れた表情で彼女の横に立っているエペルにユウが尋ねるも、むすっとしたまま名乗らない。
"扱いにくい人"という認識をされてしまったのか、ユウはそれ以上彼について触れることはなかった。
微妙な空気が流れたものの、それからひたすらエースのことを待ち続けたが彼は来ない。
流石に待ちきれなくなったグリムがユウとA、そしてエペルに声をかけた。
｢行くぞユウ、A、それとオマエも！ エースをとっ捕まえて窓掃除をさせてやるんだゾ！｣
教室に向かうものの、エースはとっとと出て行ったのかそこには居なかった。
教室の話す肖像画に情報を得て、四人は急いでエースの配属された寮であるハーツラビュル寮へと向かう。
調度良いタイミングだったのか、エースは寮へと戻るところだったらしく、窓拭き掃除に関する愚痴を零しながら歩いていた。
｢窓拭き百枚なんかやってられるかっての。さっさと帰って……｣
｢こーーーらーーーー！！！｣
｢げっ！！ 見つかった！｣
｢てめー！！ 待つんだゾ！！｣
待てと言われて素直に待つ人間なんている筈もなく、案の定、エースは脱兎の如く逃げ出した。
彼が逃げた先には生徒が一人いて、追いかけっこをしている彼らを見てひどく驚いているようである。
｢どいたどいた！｣
｢えっ、お、おうっ！？｣
｢その人捕まえて下さい！｣
｢彼を引き留めておいてください……！｣
ユウとAの懇願に従い、彼は色々と思案した。
まだ人を捕まえる魔法は知らないらしく、足を止めたり縄で拘束する魔法を思い浮かべた結果、取り敢えずエースに向かって大鍋を上から落とした。
｢ぐええっ！ ナンダコレ！？ 鍋！？｣
エースの悲鳴と、グリムの笑い声が響いた。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
