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｢！？ 何をしているんですか、フロイド！｣
ぺらり、と彼女のブレザーとスカートをフロイドが捲ったことにより、ジェイドはぎょっとしながら慌ててその手を離させた。
感情の起伏が少なく、顔に出ることのないAでさえも、これには目を見開いて固まってしまっている。
ほぼ初対面の誰かから、スカートを捲られる日が来るなんて思ってもみなかったのだ。
｢す、すみません！ ほら、フロイドも謝って下さい！｣
｢えぇ……オレなんかしたぁ？｣
｢女性のスカートをいきなり触り、捲るだなんて有り得ません！｣
｢……まあ実害があるわけではないので、もういいですけれど。一応理由だけは尋ねておきます。何故このようなことを？｣
｢血の香りがしたんだよね〜、そこから｣
｢確かに……これはどうされたのです？｣
興味津々といった四つの瞳に見詰められ、話すまでは逃げられないと悟ったAは今朝の出来事と、放課後の出来事を簡潔に説明した。
ふむ、と顎に手を添えて納得した様子のジェイドとは違い、フロイドは至極楽しそうに聞いている。
｢クリオネちゃん、めちゃくちゃお人好しじゃ〜ん。普通そんなヤツら庇わなくね？｣
｢お人好し……？｣
｢え？ 何でそこで不思議そうにすんの？｣
Aは昔から、冷酷無比で残虐だと評価されることが多い。
仲良くなるまでには凄い時間が掛かるが、一度彼女の懐に入ることが出来れば彼女からの慈愛と守護を受けられるのだ。
だがしかし、これを受けられるのは極一部、ほんの一握りだけ。
出会って数時間のエペルやユウ、エース達にそんな感情を抱いているだなんて有り得ないと感じていたのである。
｢エペルさんは別かもしれませんが……別段、ユウさん達と親しいわけでもないですし。赤の他人を自分が怪我をしてまで守ろうだなんて思いません｣
｢しかし、貴女のその行動はそう評するしかないのではありませんか？｣
｢そう、ですね……まあ、言うなれば、私にとって"弱きを助け強きを挫く"は日常茶飯事であり、与えられた指名でしたから｣
｢ん〜……よくわかんねェけどさ、クリオネちゃんは優しいんだねぇ｣
半分馬鹿にしているだろう、その顔は。
にやにや笑いが止まらないフロイドに、Aは静かに重たい溜息を吐き出した。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
