21 ページ4
この場に居る赤髪はリドルとカーターのみ、だけれども両者共に人狼ではないとAは言う。
矛盾が生じていることに対し、エイダンとアメリアが反論しようとしたのだが、彼女は絶対零度の碧眼で二人を見据えることによって黙らせた。
残り十分しかないというのに、話の腰を折られてしまっては堪らなかったからだ。
｢施設内を探りましたが、此処には髪染めなどの娯楽品は置かれておりませんでした。それに加えて魔法も使えないので、色変え魔法であるわけもありません｣
｢よく分からないな……悪いが、分かるように説明してくれないか？｣
｢勿論、そのつもりですよ｣
申し訳なさそうな表情を浮かべたトレイの言葉に頷きながら、Aはブレザーの内側に隠してあった"証拠品"を机の上に置き始める。
置かれた物は、赤色のウィッグと小型の機械、そしてカーターの顔の特徴が捉えられている変装マスクの三つ。
この時点でルークとアズール、ノアの三人は大体の内容を把握したようであった。
｢この小さな機械は変声機です……と、言えばもう分かるでしょう｣
｢誰かがカーターに変装した状態で、Aに襲いかかったということかい！？｣
｢ご名答です、リドルさん。そして、この変装セットが保管されていた部屋は貴方の部屋ですよ……ディランさん｣
カーターが信じられないものを見る目で、親友であるディランを見つめる。
依然として平静を装っているディランであったが、Aとルークに対して、その取り繕いが通じるわけもなかった。
案の定、人狼が己の部屋へと侵入して道具を隠したのだと主張してきたが、Aは容赦なくディランの証言の綻びを指摘していく。
｢先ず最初に、私は深夜の二時からずっと貴方の部屋を見張っておりました。その間、どなたも起きておりませんし、部屋から出てもおりません。そして……貴方が水を飲みに食堂へと向かった際、私は貴方の部屋でコレを発見致しました｣
｢そんなもの！ ただの人的証拠だ！｣
｢いいえ、証拠はありますよ。それも多数の人間が知っております｣
｢そうだな……このゲームは色んな奴が観戦しているんだろ？ だったら、その観戦者達が証拠人になる｣
｢それに、物的証拠もきちんと用意してありますので｣
Aは席を立ってディランの前まで移動すると、何の躊躇いもなく彼の首元を肌蹴させる。
そして、皆に集まるように伝えると、首のとある一点を指で指し示したのであった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2094人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
太宰、乱歩などの頭脳派推し - いろんな世界に行ってるみたいなので、其処で知ったボカロなどを歌ってみてほしいです！歌ってみた的な。 (2022年3月14日 3時) (
レス) @page20 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 舞夜桜さん» リクエストですね、大丈夫ですよ！ 喜んで承ります〜！ 少しお時間いただきますね。 (2020年7月27日 21時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
舞夜桜 - モブ男が夢主を襲う｢身体中を触ったり、叩いたりする」 それを目撃したキャラが激おこする。 とか書けますでしょうか？ 無理でしたら大丈夫です！ (2020年7月27日 20時) (レス) id: 7970974f99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - ミミズクさん» ありがとうございます〜！！ 無理してませんよ！ 楽しくやってますから！ これからも頑張りますね！ (2020年7月17日 9時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミミズク - いつ見ても最高です！更新無理せず頑張ってください!!! (2020年7月16日 23時) (レス) id: e138928b3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆるり | 作成日時：2020年7月4日 16時
