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こうすればウィンウィンの関係だろう。
ラギーは不機嫌極まりないレオナの世話をしなくても良くなり、レオナはAとユウから世話をしてもらえ、ユウとグリムは美味しい夕食を作ってもらえる。
そうAが説明すると、ヴィルは渋々ながらも首を縦に振った。
どうやら、彼の中でユウとグリムは面倒事を持ち込んでくるトラブルメーカーではあるものの、"男"だとは認識していないようである。
それはそれで微妙なのかもしれないが、ユウ本人としては寮長公認でAと仲良く出来るだけで嬉しいらしい。
｢それでいいんスね……ユウくん｣
｢はい！ だって僕、Aちゃんのことは凄く好きですけど恋愛では見てないですもん。どっちかと言えば、お姉ちゃんみたいに思ってます｣
｢おやおや、私は貴方の姉ですか｣
｢えへへ、勝手に思ってるだけだけどね｣
｢……トラブルメーカーな部分はあまり好きませんが、ユウさんなら弟でも良いかもしれませんねぇ｣
現代でありがちなマウントを取りたがる性格ではないし、素直で動物好きなところもポイントが高い。
魔力が無くとも、身体能力が秀でていなくとも、持ちうる限りの知識と人徳を活用して活路を見出すという彼の性格を、実のところAは好いていた。
本物の姉弟になることは不可能だが、その様に慕ってもらうことに対しては何ら問題を感じていない。
｢まぁ、貴方が織田信長公の義弟になる覚悟があればのお話ですけれどね｣
｢エッ｣
＊＊＊
時刻は夕方の六時、場所はオンボロ寮。
ソファで不貞寝しているレオナをユウとグリムに任せつつ、Aはラギーと共にキッチンで夕食を作っていた。
成長期の男子三人と、大食らいのグリムが揃うのであれば多めに作って大丈夫だろうということで、豚カツや唐揚げ、天麩羅などのガッツリ目の料理を作っている。
｢A｣
｢はい、どうぞ。ラギーさん、私はそちらの……｣
｢ほいっ。これっスよね｣
｢ありがとうございます｣
談話室からキッチンで忙しなく働く二人を眺めていたユウであったが、上記のようなやり取りを聞いて耳を疑った。
主語も目的語も何も無く、ただ名前を呼んでいるだけで相手の欲しい調味料や調理道具を手渡すことが出来るだなんて、一体どういう仕組みなのか疑問しか浮かばない。
まるで長年連れ添った熟年夫婦の様な息の合い方と、意思疎通振りだ。
｢夫婦じゃん……｣
ぽつりと零した言葉は、誰にも聞かれることなく談話室の壁へと静かに吸い込まれていった。
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ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» ありがとうございます〜〜！ 嬉しいです……更新頑張れます！これからもどうぞ、よろしくお願い致します！ (2020年7月2日 9時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - ゆるり様、夢主の推察能力が半端なくて素敵でした！物語の続き楽しみにしてます。この作品が、大好きです(^^)すごく面白かったですm(__)m (2020年7月2日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - リリア最推しさん» 勿論出演予定ですよ！この後のお話に出てきますので、少々お待ちくださいませ！ (2020年6月28日 14時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
リリア最推し - 夢主の髪が切られたら1番黙ってない妖精王が居ますけど、出演ありですか？？ (2020年6月28日 13時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» お褒めいただき光栄です〜！ 私の文章能力で、書きたいことが伝わるか不安でしたが……良かったです！ (2020年6月28日 8時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年6月21日 12時
