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歪む視界で見た最後 ページ8

「そうですよ!少年探偵団は困ってる人の味方なんですから!」

「Aお姉さんはいっつも歩美たちを助けてくれてるでしょ?だったら、今度は歩美たちの番だよ!」

「なんたって、オレらは少年探偵団なんだからよ!」

ニッコリと頼もしく笑う子供たちに、私は下手くそだけど笑い返した。

《…コンビニを通り過ぎました、あと少しですよ。》

『ッはい。』


あと、あと少しで降谷さんが来てくれる。
それまで耐えれば、大丈夫なんだ。

そう安堵してると不意に、背後から何かの物音が聞こえた。
……何故か警鐘に似た鼓動が耳障りに聞こえる。

そして、恐る恐る振り返ると鳩尾にバチッと強い電流が流れた。

『ぅあ”ッッ!!』

あまりの衝撃に手からスマホが滑り落ちた。

コ「Aさんッ!!!」

どこか遠くで江戸川の焦った声がする。
しかし、答えるよりも先に私の意識は勝手に暗転していく。

??「大人しく来れば良いもの。貴様は本当に出来損ないだな。」

身体が地面に倒れ、彼の切羽詰まった声が聞こえる。

《Aさんッ!返事をして下さい!》

『……ふ……るや……さ。』

《Aさんッ!!……A!!しっかりしろ!!今すぐだから!!》

霞んでいく視界に、子供たちが黒スーツの奴らに取り押さえられてるのが微かに見えた。

その瞬間、私は持てる全ての力を振り絞り子供たちを取り押さえる奴らに体当たりする。
一気に体勢が崩れ、拘束が緩んだ隙に皆を救出した。

『……コ…イツらに、きたねぇ手で触んな!!!』

息も荒く、今すぐにでも失いそうな意識をギリギリ保つ。
しかし私の覇気にも動じず、クソジジイは呆れた顔をした。

??「貴様は本当に他者の影響を受け易いな。それでも篠ノ原と柳ノ宮の血を持った者か?」

子供たちを守るように前に立ち、大通りの方へ誘導する。

『ハッ、アンタらから捨てたクセに今更そんな事言うのかよ。随分と虫が良いんだな。』

??「…もう良い。出来損ないに言い聞かせても無駄だ。」

皆を肩越しに見て後ろに退くと江戸川が叫んだ。

コ「Aさん!後ろッ!」

注意されて慌てて振り返るが、口と鼻に布を押し付けられてしまい今度こそ私の意識は薄れていく。

??「さっさと行くぞ。」

唐突な浮遊感に抵抗出来ず、私は白く半透明な膜が張ったような視界を眺める。


「Aッ!!!!」






意識が飛ぶ寸前、彼の声が聞こえた気がした。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透/降谷零 , 東亰ザナドゥ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年7月19日 0時

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