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“初めまして”可愛いキミ ページ48

攻防の末、一度ホテルに荷物を取りに行く事になった。


部屋を開けると、まず驚いたのは山積みだった書類がキレイに整頓されてた。
見易いように付箋が貼られ、詳細の写真まで添付されてる。

『…まさか、皆が?』

何となく気配で悟り、結婚式に現れたミツキの言葉を思い出した。


【Aさん、いい加減自覚して下さい。貴方は私達の大切な仲間で欠が代えの無い存在です。】


あの時のミツキの言葉は、この風景を見た上で発したモノ。
そう理解するのに時間は必要無かった。

『……ありがとう、皆。』

今日で何度この言葉を言っただろう。
けど、何度でも伝えられずには居られない。
…皆が居て、零さんが居て、私はどんなに救われてたんだろう。

仲間の暖かい気遣いに感謝し、私は資料を鞄に詰めて支度を済ませた。





そして、車が向かったのは一軒の小さなアパート。
…少し意外だ。
零さんみたいな大人っぽい男性が、少し控えめなアパートに暮らしてるなんて。
てっきりタワマンの最上階で夜景を見下ろしてワイングラス傾けてるとばかり……。

正直にそう言うと、零さんは大笑いしてた。

「君は時折真面目な顔で面白い事を言うな。」

そう褒められ?て取り敢えずお礼を言うと、また笑われた……。

慣れたように二階の奥の部屋に私を導き、ポケットから鍵を取り出す。
その時、部屋から何かの鳴き声が聞こえた。

『留守番をしてた子が居るんですね。』

「あぁ。Aは犬は平気かな?」

『小型犬だったら大丈夫ですよ。』

零さんは微笑むと私を開けた扉に誘う。
部屋に居たのは、真っ白な小さな小型犬だった。

「ハロ、ただいま。」

ーーワン!

名前を呼ばれて嬉しそうにハロ?は私達の足元をクルクル回る。

「紹介するよ、僕の家族のハロだ。ハロ、僕の大切な人のAだよ。」

ーーわう?

ハロは小首を傾げて私を見上げる。
私はしゃがんでハロに目線を合わせて、片手を鼻先に差し出した。

『初めましてハロ。貴方の家族の零さんとお付き合いさせて頂いてる御神楽Aです。』

ーーわふぅん?

ハロは私と差し出された手を交互に見た後、おずおずと手の匂いを嗅ぐ。
ヒンヤリ冷たい鼻先が触れ、私はじっとハロを見つめる。
少し時間が経った頃、ようやくハロが尻尾をパタパタ振り始めた。

ーーわんわん!

一際元気良く鳴き、ハロが私に飛び付いた。

『うぉっ!?』

そして受け入れてくれたハロに、歓迎の証か頬をペロペロ舐められた。

“思へども なほぞあやしき 逢ふことの なかりし昔 いかでへつらむ”→←貴方と過ごす“これから”を



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設定タグ:名探偵コナン , 安室透/降谷零 , 東亰ザナドゥ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年7月19日 0時

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