検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:26,495 hit

貴方と過ごす“これから”を ページ47

手触りが滑らかな辺り、西陣織りかもしれない。
柄は上品な桜で、紺色がベースだった。

『可愛い。』

「着物はリバーシブルらしくて、裏地でも着れるそうですよ。」

可愛らしい柄は姉さん、そして色は兄さん。
…それから、お代はジェームズさんだろう。

私は綺麗に畳まれた着物を指で撫でた。

『ありがと、嬉しいよ。』

「それは直接言ってあげなさい。君は彼らのオアシスなんだから。」

『大袈裟だなぁ。』

毎回思うけど、FBIの皆は私を猫可愛がりし過ぎだと思う。
昴さんはポンポンと頭を撫でてくれる。

「…おや。お迎えが来ましたね。」

不意に昴さんが呟き、私の身体は何故か昴さんから引き離された。

「気安く僕の恋人に触れないで下さい。」

顔を上げると、不機嫌そうな零さんが私を昴さんから離すように抱き寄せていた。

『れっ……安室さん!?』

「お迎えに来ましたよ、A。」

『え、バイトは?』

「今日は元々早番です。なので、君と帰ろうと。」

当然とばかりに言われ、私は思わずポカンとした。
…だって、彼の職業柄では住所とか複数持ってるはずだ。
それがトリプルフェイスとなれば、その分危険と隣り合わせなのに。

『あ、あの。私に教えて良いんですか?』

「当たり前です。君は僕の恋人なんですから。」

至極真面目に返され、私は“そんなモンか”と納得する事にした。
私達のやり取りを見守ってた昴さんがクスリと笑うと、お勘定を手にして立ち上がる。

昴「邪魔者は退散しますよ。それでは、Aさんまた。」

『うん!じゃあね、昴さん!』







ファミレスを出ると、見慣れた車が停まっていた。
……勿論、それは零さんの車だ。
慣れたように私を助手席にエスコートし、零さんも乗り込む。
そして、車は静かに発進した。

『久しぶりにホテルに帰れる〜。』

ふかふかなシートに背中を預けてそう呟く。
…部屋に置き去りにした書類を纏めないと、今後の戦略に支障をきたしてしまう。

「何言ってるんですか、A。」

『え?』

「誘拐されて、まだ単独行動をするつもりなんですか?」

『いやいや、元々の宿泊先ですし…。』

逆にどこに泊まれと……。

「僕の自宅で良いじゃないか。それなら、いざと言う時守れるだろう?」

『いや、でも…………お、お願い…します。』

反論しようと口を開くと、零さんの笑ってない瞳によって防がれた。

“初めまして”可愛いキミ→←“親愛なる”兄さん姉さん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透/降谷零 , 東亰ザナドゥ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:四條暁 | 作成日時:2020年7月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。