※王子様に食べられたらしい※※ ページ35
チュッ、チュッ、と小さな音を立てて何度も重なる。
『っふ、んンっ……!』
啄むように触れ合い、いつしか唇の間にヌルリとしたモノが差し込まれた。
すると口内を蹂躙され、ソレに私の舌が器用に絡め取られる。
静寂に包まれる室内で淫らな水音が響き、冷えた身体が火照り始めた。
『……ぁっ…………ふる、やさぁっ……ンっ。』
呼吸の合間に名前を呼ぶけど、彼はそれすら惜しんで再び塞いでいく。
だんだんと力が抜けていき、必死に降谷さんの背中に腕を回す。
生理的な涙が流れ落ちた時、ようやく彼の顔が離れた。
『はぁっ……はっ…………。』
降「…A。もしかして、わざと煽ってますか?」
降谷さんの胸板に顔を埋めて息を整えてると、彼は呆れたようにそう言った。
『あ……おてっ……なんか。』
吐息交じりの私の声は、信じられないくらい甘いモノに変化していた。
むしろ、本当に自分の声なのかと疑う。
降「おや、考え事をする余裕はまだあるんですね。」
『よ、余裕なんかっ……んぁっ!』
降谷さんは妖しく笑うと私の首筋に顔を埋めた。
絹糸みたいに繊細な彼の髪が素肌を撫で、身体が勝手に跳ね上がった。
降「……んっ。」
『んンっ……!?』
首筋をチロリと舐められ、その箇所に吸い付く降谷さん。
私は体験した事ない感覚に戸惑い、恐れて、彼の広い背中に腕をキツく回して耐える。
けど、決して不快感や嫌悪感じゃない。
まるで自分の何かが反応するような体感で、何故かもっと触れて欲しいと思っていた。
数回吸い付かれ、少ししてから降谷さんが離れる。
その頃には私は息が上がり、身体は火傷するくらい熱くなってた。
降「…A。僕は、君を愛してるよ。」
『っえ?』
不意に呟かれた言葉に、私はドキリと鼓動が高鳴ったのを聞く。
降「いつから君に惹かれてたのかは、正直覚えてない。…ただ、気が付けば君の隣が居心地良くなって安心出来た。」
そう言いながら彼は私をベッドに優しく押し倒した。
水気を孕んだ髪が白いシーツに静かに広がり、私の視界にはシンプルな天井を背景にした降谷さんが映る。
その表情は、どこか切なそうだった。
降「君が弱ってるのに付け込んで、キスした時には既に僕は夢中だった。…酷い男なんだ“俺”は。」
降「一回りも年下で、もっと相応しい相手が居るはずの君を本気で愛してしまったんだ。」
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年7月19日 0時