壊れそうな微笑みを〜NOside〜 ページ23
写真の中のAは、泣いてるのではと疑うほど儚げな微笑みで降谷を見つめる。
その頬は微かに痩けていて、瑞々しい唇と肌も心なしか青白く見えた。
ーー…違う、こんな笑顔が見たいワケじゃない。
降谷はギリリと掌に爪を立てた。
園「どう言う事！？Aって、篠ノ原だったの！？って言うか安室さんが居るのに、他の男と結婚！？」
園子の混乱する声が遠くで聞こえるが、今の降谷には関係ない。
Aに不躾な程触れるこの男を、今すぐに探し出して始末してやりたい。
コ「園子姉ちゃん、この結婚式っていつ！？」
園「それが明日なのよ！急過ぎるっての！！」
コ「明日って…っ！」
その瞬間、コナンは総毛立つ冷気を感じて振り返ると目を据わらせた降谷がAに寄り添う男を射殺さんばかりに睨んでいる。
そして、そんなポアロに再び来客が現れた。
園子同様に帰宅した蘭だ。
蘭「あのぉ、店先にこんなの落ちてましたよ？？」
戸惑いながら蘭は降谷に渡す。
ソレは、コナンが見慣れた名刺サイズの白いカード。
コナンが身を乗り出してカードを覗くと、それはあの宿敵からのメッセージだった。
【明日の太陽が頂きに昇る刻、しがらみに囚われたジュリエットが望まぬ誓いを立てるでしょう。
怪盗キッド】
その文章を読み終える頃、降谷はそのカードを握り潰した。
降「園子さん、少しお願いがあるんですが…。」
園「えっ？」
降「決して迷惑はお掛けしませんので、僕に結婚式が行われる住所を教えて下さい。」
降谷のその言葉に、園子は察したらしくニカリと明るく笑った。
園「もっちろん！さっさと助けてあげて下さいね！！」
降「はい、勿論ですよ。」
その降谷を見守る旧友たちと一つは、誇らしげに微笑んだ。
それに降谷が教えられるのは、少し先の話だ。
〜NOside終了〜
いい子になるよきっと明日から→←鳥籠に囚われた戦乙女 〜NOside〜
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作者名：四條暁 | 作成日時：2020年7月19日 0時
