鳥籠に囚われた戦乙女 〜NOside〜 ページ22
橙色に染まるポアロの店内。
客足も収まり、静寂が漂うそこに降谷とコナンは難しそうな顔をして唸っていた。
彼らが考えているのは行方不明の御神楽A。
あれから情報収集し、ようやく正確的なあらましが解ってきた。
それも、昴と降谷がかき集めたお陰だ。
Aを連れ去った目的は、本人も言っていた政略結婚の生け贄。
相手は出豚デブ男、36歳で重度のアニメオタク。
トイメーカーの社長を勤めており、その裏では気に入った人間に膨大な借金を背負わせて眼球を売らせるように仕向ける男だ。
コ「それで、その悪井って女の人の住所は?」
降「向かったが、もぬけの殻だった。」
そして、悪井ブス美が柳ノ宮の一族だとも判明した。
…しかし、降谷が向かった時には既に引っ越しをした直後だった。
昴はコナンから連絡を受け、血相を変えてアメリカから急遽日本に帰国。
彼は独自に調べるとコナンに伝え、それから早2日。
降「………Aっ…!」
降谷は吐き出すようにAの名前を呟く。
多くの柳ノ宮と篠ノ原は一枚岩では無く、後少しの所で行き詰まった現在。
Aが囚われた居場所が、未だに掴めていない。
コ「Aさん、無事かな…。」
コナンは一人呟く。
Aが誘拐された後、少年探偵団は落ち込んで今も元気がない。
蘭や園子も心配し、哀も時間が有る限り情報収集を続けている。
降「…願いたいさ。」
そう呟いた降谷の目の下は、疲労が窺えるクマが見えた。
降谷の視界は、色褪せて見えていた。
Aが側に居て話し掛けてくれるだけで、あんなに生き生きと輝いて見えた日常が、今は単調なモノに思えた。
降「…今頃になって、思い知らされるなんてな。」
いつから彼女に惹かれたか、なんて降谷自身覚えていない。
いつの間にか彼女の隣が心地よくなり、弱く脆い彼女を支え守りたいと思い始めた。
降谷が切なげに自嘲すると、慌ただしい来客が現れた。
それは、園子だった。
園「ちょ、安室さんっ!」
肩で息をして園子は、鞄から一枚のハガキを見せる。
園「これってAじゃない!?」
降「見せて下さい!!」
二人がハガキを覗き込むと、それは結婚式の招待状だ。
純白のタキシードを着こんだ男と、やけに露出が激しいドレスを着た女が並んで撮されていた。
満足そうな男に比べると、女はどこか悲しげな微笑みを浮かべている。
コ「Aさん!」
壊れそうな微笑みを〜NOside〜→←○狂愛する人形○○(特殊性癖あり)
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年7月19日 0時