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手折られない花は〜降谷side〜 ページ15

コナン君を怪訝そうに四宮君は見て、スマホを取り出してとある画像を見せた。

ユ「ねぇ、そのお爺さんってこの人?」

覗いて見るといかにも気難しそうな初老の男性が映っている。
コナン君は息を呑んで深く頷く。

ユ「やっぱり。」

コ「ねぇ、その人何者なの?」

ユ「このじいさんは、篠ノ原クズ造。Aセンパイの曾祖父さんってトコだね。」

四宮君はスマホを操作して、誰かに連絡を取った。

ユ「あ、コウセンパイ?遅かったみたい。」

少し離れた所で連絡する四宮君を指して、コナン君が耳打ちした。

コ「ねぇ安室さん。あの人って、Aさんとどんな関係なの?」

「後輩で、仕事仲間だそうだよ。」

仕事仲間と聞いて、コナン君は少し興味を持ち始める。
僕は風見からの連絡を確認するが、未だに着信はない。
…どうやら、車のナンバーは期待出来なさそうだな。

ユ「で、アンタらはどうする?Aセンパイの部屋でも調べる?」

あっけらかんとそう首を傾げる彼に、僕は思わず口角を引きつらせた。
……ここに本人が居たらどうするんだ?
すると、僕の顔を見て四宮君は余裕そうに肩を竦める。

ユ「どうせセンパイの事だし。アポなし訪問を警戒して、下着とかは散乱してないよ。」

とんでもないパワーワードに僕の嫉妬心は煽られる。
しかし、四宮君はそんなのも知らずにポケットから小さな鍵を僕に投げ渡した。

ユ「ボクはもう帰るけど、アンタらは調べるんでしょ?ならそれ合鍵だから渡しとく。」

コ「な、なんで合鍵なんて持ってるの??」

ユ「投資してると色々融通が効くんだよ。」

じゃ、と四宮君はホテルから出るとそのまま駆け出して行った。
その横顔は必死だった。

コ「安室さん、行ってみる?」

「あぁ。」





渡された合鍵で開けると、あの時のまま生活感が窺える部屋だった。
テーブルの上には沢山の資料に米花町の地図が広げられている。
地図にはこれまで異界関連の事件が起きた場所に日付と印が付けられており、多忙なのが見てとれる。

コ「…Aさん、こんなに忙しかったんだ。」

呆然と呟くコナン君に、僕は頭を撫でる事しか出来なかった。
そして、ベッドサイドには煤けた包帯が飾られていた。

「っ……!」

見間違いでなければ、ソレは僕がAを手当てした時のモノだろうか…?
そして僕の予想は当たっていて、包帯の横には小さく【降谷さん手当て記念】と丁寧に日付が添えられていた。
……いじらしさと愛しさで、胸が締め付けられた。

愛する人よ聞こえますか?どこにいますか?(途中からヒロインside)→←拐われた想い人〜降谷side〜



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設定タグ:名探偵コナン , 安室透/降谷零 , 東亰ザナドゥ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年7月19日 0時

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