【愛されすぎな】平和過ぎるこの本丸は本霊様たちが集っています【審神者狐は可愛い】

第10話 ページ11

髭切｢･･･ならないよ｣

薬研｢･･･なんでそう言いきれる｣

髭切｢だって僕らは刀が折れない限り終わりは来ない。それなら例え政府に何を言われようともされようとも離れなければいい。Aの側にいればいい。僕らはそれができる。人間のように寿命が来て自然に消えるわけじゃないからね。可能性がないわけではないんだよ。それを諦めてどうするの？｣

それはさっきまでふざけていた髭切とは違って･･･
本当にここの刀たちは心からAを愛してるるんだな。
俺も含めて。

初めこそはすれ違ったりしたが･･･
きっとそれは無駄なことにはなってねぇはずだ。
愛の形が違えども、見える愛の重さが違えども、みんな1人1人がAを愛してる。

俺達はしばらく黙っていた。
それぞれがいろんなことを考えているのだろう。
だがその沈黙はすぐ破られた。

宗近｢その通りだ髭切。俺達は人間とは違う。生き続けるという選択肢がある。人間の体はとても不便でうまく扱えないが、こんな生活も悪くない。そう思えたのは誰のおかげか･･･｣

宗近｢刀のままでは知ることができなかったでたろうな。愛も何もかも。そのご恩を返すのにはこの世界が滅ぶまでかかるだろうな。はっはっは！･･･俺達は人間としてAの側にいてやるべきだ。世界が滅ぶその時まで。｣

さすがは天下五剣。
そう言いながら廊下を歩く姿はさまになっていた。

薬研｢そうだな。Aが嫌って言ってもそばにい続けてやろう。｣

一振｢薬研･･･ふっ！目から水が流れてるよ？泣いてるのかな？｣

薬研｢バカ言うんじゃねぇ！･･･俺は前からそのつもりだったしな｣

膝丸｢嘘は良くないぞ。全く、変なことで心配になっていてはAを守れんぞ！｣

髭切｢そういう変態丸こそ、涙出てるよ？心配だったんだねぇ。よしよし。兄の僕が特別に撫で撫でしてあげよう！｣

膝丸｢や、やめろ！･･･そして俺は変態ではない！！！｣

髭切｢あれぇ、まだ続いてるの？もう飽きたんだけどなぁ｣

膝丸｢また始めたのは兄者であろう！！｣

石切丸｢またやってるのかい？君たち･･･｣

鶯丸｢なんだ？呆れて怒りもでないか？それともさっきの薬研の一言がまだ･･･｣

石切丸｢違うからね？！もう落ちこんでなんか･･･｣

鶯丸｢そうかそうか。･･･だが、それにしても、いい顔してるな。｣

石切丸｢･･･そうだね。みんな、素敵な笑顔だね。｣

｢パパ？｣

石切丸｢Aはみんなに愛されてるね。｣

｢あぃ！！｣

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