最強メンタルの最高傑作な紅一点【雪男】（27）

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ラウールside

休憩後、先輩達は元の立ち位置に戻ってレッスンを再開。
それでも重い空気感は休憩後も重いままで正直かなりしんどかった。


『今日はここまで〜って言いたいけど今日のレッスン見て色々思った事あるから話がある。全員座れ。あ、水分補給しながらでええよ』


いや、無理でしょ。このタイミングでマジで水分補給しながら今の深雪さんの話聞く人いないでしょ。あのさっきの先輩達ですら体育座りしてるもん。


『最初に、今日は空気重かったやろ？ごめんな』


ダメだしかと思ってたのに予想の斜め上の出だしでこの場にいる全員が拍子抜けしたと思う。


『あの3人が酷かったから正直見せしめみたいに君らに注意というか「いらん」とハッキリ言うた。それもごめん。めっちゃムカついたとは思う。でも見せしめに選ばれるくらい酷かった自覚はしろよ。そんで3人が酷かったからって言ったって事は他にもいらんと思ってた奴はおるからな』


いや、やっぱダメだしだった！！
俺もいらないって思われてたのかな…。


『数ヶ月前に入って来た子達が一番しっかりしてるとか終わってるからな？まぁ、まだ数ヶ月やし今日は私が初っ端から空気重くしたから怖がってただけかもしれんけど』


その通りです…。でも良かった。少なくともいらないとは思われてなかったみたい。


『何が言いたいかと言うと「自覚を持て」確かに先輩のバックとかやと正直私らJr.を見てくれる人は少ない。だからってなぁなぁで仕事していい訳がない。私らだって作品の一部になるし、その作品に目の前のお客さんはお金を払ってるし、私らはそこからお金を貰ってる。私らがやってるのは学校の部活じゃなく金銭が動く仕事や』


金銭が動く仕事…。今言われるまで正直部活みたいな感覚だった。


『しかもうちの事務所はチケットの値段は統一されてる。だから嵐の松本くんとかが上の席の人達の近くにも行けるようにって気球を使ったり工夫してファンを楽しませてる。しかもファンの人らが払うのはチケット代だけじゃなくてグッズもやし、人によっちゃ新しく服だって買い揃える。可愛くメイクやヘアアレンジもしてくれて、貰えるかどうか分からんファンサの為に団扇を作ってくれる。その時間も使ってくれてる自覚を持て。学校や仕事で忙しいのに時間を割いて舞台にライブに来てくれるんや』

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