最強メンタルの最高傑作な紅一点【雪男】（27）

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阿部side

仕事が終わりAの話を聞くために幼馴染さんのお店で2人でご飯を食べに来た。


阿「で？」
『圧がスゲーや』
阿「経緯は？いつから？どこまで？」
『おい、最後のはセクハラやぞ』
阿「じゃぁそれ以外は答えれるね」
『おい、やめろひーくんにすぐ電話出来るようにスタンバイするな』


真剣交際なら複雑ではあるけど頑張って気持ちに折り合いつけて応援するけど…今日のAの様子を見るに好きな相手と連絡取り合ってるというにはいささか面倒そうな態度だった。


『あーキッカケは1ヶ月くらい前』
阿「え、そんなに前？」
『阿部ちゃんも関係あるかんな？』
阿「全然身に覚えが…」


1ヶ月前って何があった？……あ。


阿「岩本三兄弟の週刊誌ニュース」
『阿部ちゃん正かーい！』
阿「それとAが恋人を作るのはどういう関係が？」
『あまりにもウザったるくて完璧な恋人でも作れば大人しくなるかなって』
阿「何でお前はそう極端に…イタリア男性である理由は？」
『そん時イタリアン食べたくて…』
阿「もうその基準で恋人探してる時点でお前は恋愛に向いてないよ」
『待って！ミケはシェフなんよ！！』
阿「食いもんで釣られるなよ！！」


確かにあの週刊誌でちょっと反省はした。というより反省せざるを得なかったというか…あの記事が世に出てからと言うものの会う人会う人に「流石にあれは深雪ちゃんが可哀想だよ」と言われ続ければ否が応でもでも反省する。
まさかアレで反発精神が膨れ上がって無理矢理恋人作るところまで追い詰めるなんて思ってもなかった。


阿「食べ物でつられて恋人を手にしたAちゃんは、その恋人さんと上手くいってないみたいだけど？」
『ん〜…まぁ遠距離すぎるってのもあるけど…連絡まめすぎて寝れんし流石にイタリア男子というか…お姫様扱い凄まじすぎて気持ち悪くて…良い人やねんけどなぁ…飯美味いし』
阿「本当に恋愛に向いてないな…あとAからしたら料理上手な人は皆良い人でしょ」


イタリアン食べたいって理由だけで選ぶからそうなるんだよ…。
こんなに恋愛に向いてないのにイタリア人はそら無理でしょうよ。


阿「別れればいいじゃん」
『次イタリア行けるの来月なんよなぁ』
阿「別にそのままLINEでもよくない？」
『それは誠意がないよ阿部ちゃん。ほぼ無理矢理作ったとはいえ約1ヶ月は付き合った相手でこんなクソ遠距離でも良くしてくれてんからちゃんと自分の言葉と声で別れないと』


誠実すぎて本当に恋愛に向いてないなぁw

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