大我 ページ5
今日も検査。
治療して検査して治療して検査して……
これが普通になっちゃった。
皇輝「大我くん……検査、ヤダ……」
「俺も一緒だから、頑張れるよ、皇輝なら。」
同室の皇輝も俺と同じ病気。
皇輝の方が病気になって間もないから、不安でしょうがないらしい。
俺はそんな時期とっくに通り過ぎたな………
先生にお願いして検査は同じ日にしてもらうようにしてる。先生同じだし。
「今日はどっちからやる？」
皇「大我くんから、、」
「いいけど、見てて怖くならない？多分別室待機はさなピー許可出さないと思うけど。」
皇「、、ゃっぱ僕からに、、する、そばにいて、、」
「ん、当たり前。頑張ろーぜ、一緒に。」
((ガラガラ))
亮平「皇輝〜、大我〜、そろそろ行くぞ〜」
その言葉を聞くと同時に、俺の服の裾をしっかりと掴んだ皇輝。
「大丈夫、行こ？んで早く帰ってこよ？」
皇「ん。涙」
「泣かない泣かない、皇輝なら頑張れるから。」
亮「行くぞー、真田先生待ってるからー」
「分かってるから！」
皇輝を腰に抱く感じで一緒に検査室まで歩いた。
ただ、だんだんと皇輝の足どりが重くなっていった。
((ガラガラ))
亮「先生〜お待たせしました〜」
佑馬「お、来たか。入っておいで」
「ほーら、皇輝も入るよ」
俺の服の裾に捕まったまま足に力をいれて入るのを拒んでいる皇輝に声をかけて、検査室に入った。
皇「んー、やっだー涙」
「俺もいるよ？」
皇「んっでもっ、、こゎい」
佑「何が怖い？」
皇「ぃたいの、やだっ」
佑「んー、それはなー。先生も頑張るから、皇輝も頑張ろ？」
亮「どっちからやるの？」
「皇輝から。まぁなかなか始められなかったら俺からやってもいいけど」
皇「やるっ。」
皇輝をみてると過去の自分がどうしてたかを思い出す。
いつからだろ、治ることに対して諦めるじゃないけど熱を持たなくなったのは。
ベッドに横になった皇輝に目線を合わせて手を握る。
皇輝曰く、これがいいらしい。
これから始まることに対する恐怖で既に泣いている皇輝に、先生が声をかけて腰のあたりを消毒し始めた。
皇「んーやー」
佑「麻酔からねー」
皇「んっ泣」
麻酔が終わってつかの間の休息。
「皇輝〜、もうちょい頑張ろうね」
佑「よし、じゃあやろう。阿部ちゃんも固定お願いしまーす。」
その声とほとんど同じタイミングで皇輝の泣き声が強くなった。
検査を終えた皇輝は泣き疲れたのか寝てしまった。
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作者名：H@N@ | 作成日時：2018年9月9日 7時
