最愛シンメトリー【U.Hidaka】 (ページ35)

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色はなんとなくページ35

サマステが終わり、私たちの夏も終わる。

「プール行こうよ！」

そんな龍我の一言で、とあるリゾートホテルの室内プールにやってきた。

水着は恥ずかしくて、今までほとんど着たことがなかった。
ライブでは、興奮して露出の多い服も着ることができるけど…。

私が出てくるのを待ってるメンバー。
真新しい水着は、先日、龍我と買いに行ったものだ。
青チェックのオフショルに、白パーカー。
周りの女の子より、露出は控えめ。
でもやっぱり、恥ずかしい…。

「A？」
うろうろとしていると、突然後ろから呼ばれる。
驚いて振り返ると、コーラのペットボトルを両手に持った飛貴がいた。

「あっ…」
そう呟いた飛貴の手から、ペットボトルが滑り落ちる。
顔を真っ赤にして、どうしよ…、と口に手をあてる。
そんな漫画みたいな反応する人、ほんとにいるんだ…。

「変なの？」
「ちがっ…逆！
似合いすぎて…」
絡んだ視線は、可愛い、の一言が聞こえた途端に外された。

「行こ、皆待ってる」
いつもなら差し出される手は、ペットボトルで塞がっている。
合わせてくれる歩幅も、今日は追いつけないくらいに速い。
そこまでしなくてもいいじゃん。

「やっぱり似合ってる!!可愛い!!」
ニコニコと笑う龍我は、俺が選んだんだよ！と自慢げに言う。
「青はなんで？俺のこと好きだから？」
「那須きもい」
青チェックに過剰に反応する雄登にそう言えば、一世とたいしょーちゃんも続く。
「ちょ、酷くね？」
「那須の青じゃないの、健人くんの青なの」
ねー、と私を見る龍我。
なんて可愛いんだ…。

騒ぐ雄登を無視して、龍我と仲良くプールに浸かる。
「ね、浮所の反応どうだった？」
こっそり、そう聞いてきた。
一緒に買いに行った時から、ずっと楽しみにしていたらしい。
「『可愛い』って言われた」
「それだけ？」
つまんなーい
と言われましても。

私自身、あの反応をどう受け取ればいいのかわからない。
飛貴からの『可愛い』なんて、聞き慣れてるはずなのに…。
私、どうしちゃったんだろう。