最愛シンメトリーII【U.Hidaka】 (ページ11)

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カウントダウンページ11

Side of Hidaka

「あ、そろそろセクゾ出る！」
ソファーに座る俺の隣に腰を下ろして、画面を見つめるA。

昨日、突然電話がかかってきた。
内容は、『うちで年越ししないか』というもの。
独りで年越しは寂しいらしい。

ここで俺を誘ってくれるなんて、実は脈アリなんじゃ…
なんて、あるわけないか。

今年の紅白は、夏に一緒に観に行ったミュージカルのキャストさんたちも出るらしい。
紅白が始まるまでの時間、ミュージカルのDVDを観て予習してた。

Sexy Zoneさんの後が、彼らの出番だ。

「あー！健人くんかっこいい!!」
興奮すると語彙が吹っ飛ぶAを、ほとんどの人は知らないだろう。
尊い、好き、無理、可愛い
こんな言葉しか言えなくなる。
俺だけが知ってるんだって、優越感。

「ねえ、最後の健人くんまじで可愛いんだけど！」
目をキラキラと輝かせて俺を見るAのほうが、比べ物にならないくらい可愛いんだけど。
そんなこと流石に言えない。

クリスマスのデートの後、何度もAには会ったけど、素っ気なかったから。
嫌われたのかなって、不安になっていた。
でも、この様子だと、そういうわけでもないみたい。
きっと気分だったんだろう。うん、絶対そうだ。

「飛貴、出たよ！」
かっこいい！すごい！
ほんとに好き！
楽しそうな彼女の肩を、そっと抱いた。

変なの。
前は、もっとガツガツいけてたのに。
期待なんてしてなかったのに。
彼女のように、軽く言えてたのに。

ああ……いつの間にこんなに本気になっちゃったんだろう。
A。好きだよ、本当に。