最愛シンメトリーII【U.Hidaka】 (ページ7)

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カイロページ7

「さっむ！」
誰もいない部屋に、私の声が響く。

いつも通り一番乗りだけど、これからは最後に来るようにしようかな…なんて。

冬は嫌い。寒いし暗いし、なんだか寂しい。
クラスメイトは、クリスマスの話なんかして盛り上がってる。
「パーティーしよう」とか、「彼氏とデート」とか。
…羨ましいよ。

特別好きな人がいるわけでもないけど、やっぱり制服デートとかしてみたかったし。
学生でいられるのも、あと数ヶ月。
瑞稀でも誘って、制服デートの体験でもしようかな。

なんて考えていると、ドアが開く。
「Aー、寒いよぉ」
当然のように抱きついてくる飛貴。
嗅ぎなれた香りが私を包んだ。

スマホが触れないから、邪魔なんだけど。
……温かいから、もったいないな。

「後ろからにして」
「へ？後ろ？」
一瞬きょとんとした後、すぐに後ろに行くと、
飛貴の腕が、腰に控えめに回された。
「あったかい…」
「それはよかった」
そう言うと、嬉しそうに笑った。

冬は嫌いだけど、これはいいかもしれない。
夏は暑くて拒み続けてたから、その分冬は許してあげようかな。
専属カイロに任命だ。

─────
佐藤「おはよ。…なんか珍しいことしてる」
浮所「Aが甘えてくれたの！」
姫島「私専属のカイロになっただけだよ」
浮所「俺カイロなの!?」