憧憬 2 (ページ24)

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Abe side

佐「もっしも～し？阿部ちゃん？」

阿「恒例のウィッグ制作の電話だ」

俺たちは毎度、ウィッグ制作をする度に
なぜか電話をしている。

佐「今、どこまでやれた～？」

呑気な声が電話から聞こえる。

阿「ウィッグの癖を取ってるところだよ」

佐「最初の難所じゃん」

阿「そうなんだよ～もう腕痛くて」

佐「にゃはは」

阿「佐久間は？」

佐「俺はね～カットが終わった所」

阿「まじか早っ」

佐「好きだからね」

俺は佐久間と違って手先が不器用で
ウィッグを作るのはとても苦手。

それから、電話をしながらウィッグを
切って切って切りまくって
ワックスやら糊で固めて

制作から５時間が経過。

阿「やっとできた～」

やっと、江本貴裕のウィッグが完成した。

我ながらに上手くいったのではないかと思う。

折角だし…

阿「写真撮っちゃいますか！」

スマホで出来立てのウィッグを撮影。

阿「うわっ、危ない危ない。」

机の端にある仕事の資料が映ると危ないから
ヘッドマネキンごと、移動して
数枚写真を撮る。

まずは、佐久間へ
主流の連絡アプリで報告する。

ちなみに、佐久間はウィッグ制作の途中で

佐「阿部ちゃん、ごめん。嫁の時間」

って言って、アニメタイムへ

そこで、電話を切り今頃はきっと夢の中のはず。

割と早く既読する佐久間に
既読の印が付かない…。

そりゃ寝ているよね。

だって、朝の４時になろうとしているから。

あとは、フォロワーさんに報告したくて

青い鳥で呟く。

ちゃべぞう
@Azatoyosohou

ウィッグがやっと完成しましたー！
イベントで出す予定なので、声かけてくれたら嬉しいです!!!

完成したウィッグの写真