憧憬 2 (ページ16)

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「うわぁ、キラキラしてる子が沢山いる～。」

「ねぇ、名前何て言うの？」

「僕は、江本貴裕。君は？」

「俺は、久保田巧磨！よろしく！」

「このままじゃ、置いて行かれちゃう…。
もっと、頑張らないと…頑張らないと…」

「貴裕？貴裕！おい！しっかりしろ！」

「江本、大丈夫か！」

「江本くん！」

「誰か、医務室運べ！」

「えもちゃん…嘘や…」

「大丈夫、大丈夫だから、安心しろ星弓。」

「俺！俺運ぶ！」

「医務室確認してきた」

「サンキュ、じゃ久保田よろしく！」

「任せるであります！」

「…あれ？僕？」

「よかったー！やっと目が覚めた！」

「え？」

「突然、レッスン室で倒れたんだもん。びっくりしちゃった！」

「ずっと、手を繋いでいてくれたの？」

「うん。これはね、元気になるおまじないだから。」

「おまじない？」

「そう。俺ね、小さい時、病弱で入退院を繰り返していたんだ。
その時、お母さんがいつも早く巧磨が元気になりますようにって
　毎晩俺が寝るまで、手を繋いでくれていたんだ。」

「そっか…。久保田は沢山愛されて育ってきたんだね。」

「えもちゃん？」

「俺、そんな経験ないから。ずっと孤独だったんだ。」

「そっか…。じゃあ、俺が毎晩えもちゃんの寮へ行って
　寝るまで手を繋いで差し上げよう！」

「やめてよ～！」

「あらら？すっかり元気じゃな～い？」

「うわっ！バケモン！」

「誰がバケモンだよ！」

「ちょっと、医務室は静かに！」

「護が怒ったー！」

「ねぇ！違うって！」

「幸せだな…。」

「俺ね、ソロステージでは
本当にやりたいことをしようと思うんだ。」

「えもちゃーん、よかったでー！」

「もう、すごいよかった！」

「江本やるじゃん」

「良かったよ」

「とても似合っていたよ」

「まさかねー」

「衣装にスカートっていう発想はなかったわ」

「とっても良かったよ！」

「俺はね、俺の好きな俺でいるって決めたんだ。」

「そんな、えもちゃんが好き～」

「え？なに？本当！」