涙のバースデー ページ42
しうみんさんが、いつかのように自分の袖を引っ張って、私の涙が止まるように必死に拭ってくれている
近付いたからわかる、お風呂上がりのいい匂い
きっと私が帰ってくるまで寝ないで待っててくれたんだ…
「誕生日って、知ってたの？」
「当たり前じゃん。ほら、泣いてないでプレゼント見て？」
しうみんさんに背中を押されてソファーに座らせられる
膝の上に、テーブルに置いてあった紙袋を乗せられた
軽いはずのそれが、何故かどっしりと感じられる
手が震えてリボンが上手く解けない私にしうみんさんは呆れたように笑うと、私の膝から紙袋ごと取り上げた
「はい、どうぞ。気に入ってくれる？よね？」
「うんっ。欲しかったやつ〜！」
「へへ、だと思った！」
しうみんさん自らラッピングを開けて頂いて申し訳ない、なんて思ったのは一瞬だった
中から出てきたワンピースは、この間ひそかにいいなって狙っていたものだった！
何も言っていないし、見せてもいなかったのにどうしてわかったのー！？
泣きながらワンピースを抱きしめる私
「また泣いて…」
「だって、嬉しいからぁ」
「Aちゃんに喜んでもらえて俺も嬉しい。俺も泣こうか？」
しうみんさんが珍しく冗談を言ってくれた！
面白いかは別として…涙を止める効果はあったみたい
「大事にします！」
「ちゃんと着てね？」
「じゃあ大事な時に着ます！」
「はは、そっかそっか。んー、今週末それ着てくれる？」
「え？」
「デート、しよっか」
ケーキのロウソクの柔らかい光に照らされたしうみんさんが、横から見上げてくる
しうみんさんの赤く深い瞳に魅せられて、頷くしか選択肢はなかった
「願い事してね」
私は再び頷くと、胸の前で手を組んで目を閉じた
――どうか、この関係が緩やかに発展しますように…
火を吹き消すと小さく拍手してくれる
目を合わせると、照れくさそうにだんだんと拍手が小さくなっていった
…可愛いな、
「ケーキどうする？ご飯たくさん食べてきたでしょ」
「せっかくだから食べたいな。一緒に食べましょう！」
「じゃ、コーヒー淹れてあげる」
食べる！って意気込んだけど、この時間からの濃厚ガトーショコラは無謀だった
しうみんさんが淹れてくれるコーヒーはいつも美味しいけど、今日に限っては味わう余裕もなく
嬉しそうに食べるしうみんさんの笑顔のために、明日は胃痛と戦う覚悟を決めた
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josp(プロフ) - wakaさん» そうなんです、あっさり終わってしまいました(T_T)もう続きはないので、ごめんなさい！読んでくれてありがとうございました。 (2016年2月10日 0時) (
レス) id: 61fc7b9123 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - えっ！あっという間におわた！つづきは？？続きプリーズ！！ (2016年2月9日 23時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
josp(プロフ) - かのかさん» 実は追い込み漁してたしうみんさんでした。好いてくれてありがとうございましたでした(つД`) (2016年2月4日 17時) (レス) id: 61fc7b9123 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - うーーわ！回りからせめてのいきなり誕生日入籍？凄い！しうちゃん!!!えー、でも残念。ここのしうちゃん好きだったの〜！又次回作楽しみにしてます〜！ (2016年2月4日 12時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
josp(プロフ) - 私さん» 忘れもしないガトーショコラの悲劇（笑）やっと終わりました！今度は書き溜めてからにしようと思えた作品でした…。 (2016年2月1日 19時) (レス) id: 61fc7b9123 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：josp | 作成日時：2015年4月2日 0時
