思い出の公園 ページ19
「着いたっ」
気持ちよさそうに伸びをするしうみんさんを車の中から見ていた
そこから視線を外して、久しぶりの景色を見渡す
あの人と初めてデートしたのはこの公園で、そして…最後にデートしたのもこの公園だった
キョロキョロとしていたしうみんさんが、突然小走りでどこかへ向かう
慌てて車を降りるけど、すぐに戻ってきたしうみんさんの手には
「はい」
初めてのデートで彼が買ってくれたスポーツドリンクと偶然にも同じものだった
手にした缶をまじまじと見てしまう
「それ、懐かしいよね。最近見ないのに自販機にあったから思わず買っちゃった。嫌いだった？」
「ううん！昔から好きでよく飲んでました。ありがとうございます」
「いーえ。ちょっと歩こう」
「はい」
隣を歩くしうみんさんと、当時の彼の姿を無意識に比べてしまう
彼はもっと背が高くて足が長かったから歩くスピードが合わなくて、いつも遅れがちな私に気付いたら「しょうがないな」って手を引っ張ってくれて…
今はきっと奥さんの手を引いてるんだろうな
それとも、子どもの手かな
「あ、俺、歩くの早い？ごめん、気付かなくて」
しうみんさんはあの人と違って、私のスピードに合わせてくれた
手はしっかりポケットの中に入っているから繋げなさそう…
って何いまの！？
私としうみんさんが手を繋ぐとかありえないでしょ！？
「Aちゃん、いま何か考えてた？」
「へ？あ、違う、じゃなくて、いえ、別に」
「あはは、焦りすぎー！難しい顔してると思ったら急にいろんな顔するから」
「え、変な顔してました！？」
「ううん、可愛い顔してた」
「…」
「あははは」
しうみんさんは私をからかうのが面白いらしい
思わずムッとすると、「あ！すほと同じ顔！」ってまたからかってきたから
突き出ているだろう下唇をキュッと引っ込めた
「おー！そこ座ろう」
「あぁ…はい」
なんでよりによって同じベンチを選ぶのだろう…
この公園内に数あるベンチの中でいつも彼と座っていたところを引き当てるなんて
よほどこのベンチと縁があるのか
「ここってさ、やっぱりデートスポットだったりする？」
「そうですね。地元で初デートといえば！みたいな」
「へぇ、そっかそっか。じゃあAちゃんの初デートはここかぁ」
「まぁ…」
「んで初キスとかもここでしちゃってたりしてー」
ぎく
…そうです、初彼初デート初キス全部ここ
ってかこのベンチ！！
もうやだぁ何でわかるの！？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
josp(プロフ) - wakaさん» そうなんです、あっさり終わってしまいました(T_T)もう続きはないので、ごめんなさい！読んでくれてありがとうございました。 (2016年2月10日 0時) (
レス) id: 61fc7b9123 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - えっ！あっという間におわた！つづきは？？続きプリーズ！！ (2016年2月9日 23時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
josp(プロフ) - かのかさん» 実は追い込み漁してたしうみんさんでした。好いてくれてありがとうございましたでした(つД`) (2016年2月4日 17時) (レス) id: 61fc7b9123 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - うーーわ！回りからせめてのいきなり誕生日入籍？凄い！しうちゃん!!!えー、でも残念。ここのしうちゃん好きだったの〜！又次回作楽しみにしてます〜！ (2016年2月4日 12時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
josp(プロフ) - 私さん» 忘れもしないガトーショコラの悲劇（笑）やっと終わりました！今度は書き溜めてからにしようと思えた作品でした…。 (2016年2月1日 19時) (レス) id: 61fc7b9123 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：josp | 作成日時：2015年4月2日 0時
