弟と色眼鏡と約束(腐向け) ページ9
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「………」
『………』
すでに1時間は続いているであろう無言の時間。
何故か竜胆がAのことを睨むように見つめていた。
最初は気にも止めなかったものの、何をするにも睨まれるとさすがに気になる。
コーヒーを入れに行った際もずっと背中に視線を感じていた。
この状況に痺れを切らしたAが先に口を開く。
『ナンダヨ、』
「あ?なにが」
『さっきからなんで睨むの』
「…睨んでない」
『は?』
いやいや、睨んでたジャン。と言えば睨んでないの一点張り。
思わずため息をつくと今でも睨むように見つめてくる竜胆は自分の隣に座れと言わんばかりにソファをポンポンと叩く。
『なんだよ、甘えたか?』
「………」
『はー…なんか言えヨ…』
めんどくせー、と頭を搔くと指示通り竜胆のすぐ隣へと座る。
すると隣に座るや否や甘えるように首元にもたれかかってくる。
『リンドー、言ってくれないとわかんねえヨ』
「…この前、兄貴に香水かけられてた」
『うん?』
「…ムカついた。ココに香水買ってもらって喜んでるのも」
そう、この男は兄である蘭と同期の九井に嫉妬していたのだ。
Aは一瞬キョトンとするも、思わず笑ってしまった。
『じゃあ今度買い物行こーヨ、休みの日に』
「!」
そう言うと表情は大して変わらないものの、雰囲気は先程とは打って変わって明るくなる。
「ほんとに…?」
『ん、ほんと』
「じゃあ昼飯食って」
『うん』
「買い物して…」
あれしたい、これしたい、と提案する竜胆の言葉に逐一反応するA。
Aは自分よりも5歳年上の彼に、思わず年下らしさを感じていた。
「終わったらちょっといい所で飯食って」
『うん』
「最後にホテル」
『うん…、…うん?ホテル?』
「言質取ったから」
『今のは流れジャン…!』
週末楽しみだなー、と仕事に戻ろうとする竜胆にソファに置いてあるクッションを投げつけると華麗に避けられてしまった。
クッションはそのままの勢いで戸棚のガラスを割る。
「『あ』」
ガラスの割れる音に反応した九井、鶴蝶に二人が怒られるまで残り数秒━。
今日も弊社は元気です。
END.
色眼鏡シリーズ、別枠でパス付きR指定作るか悩む。
という一人言。
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比嘉槐 - 何回読んでも面白いですwそしてやっぱりイラストが上手い!頑張ってください!!╰(*´︶`*)╯♡ (12月1日 21時) (レス) @page15 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - ハァァ…面白すぎん?なんなの?というかイラストうますぎません⁇主人公君好きです…。春ちゃんも可愛いし灰谷兄弟もイイ///これからも頑張ってください!更新楽しみに待ってます!! (8月19日 13時) (レス) @page15 id: 58171344cf (このIDを非表示/違反報告)
774(名無し)(プロフ) - ニャオさん» わたしより上手い人は五万といます…でもそう言って貰えて嬉しいです!ありがとうございます!(´∩ω∩`*) (2021年10月23日 23時) (レス) id: 50213264b4 (このIDを非表示/違反報告)
ニャオ - あぁ、何だただの神絵師か・・・ (2021年10月23日 17時) (レス) @page1 id: 976bfd9362 (このIDを非表示/違反報告)
ふじ(プロフ) - はい、ご無理のないペースで頑張って下さい!!楽しみに待ってます!! (2021年10月22日 22時) (レス) id: 7db00b7f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:774(名無し) | 作成日時:2021年10月16日 0時