総統閣下は彼女とゆっくりがお好き。 (ページ32)

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20話ページ32

時間はあれよあれよと飛んで結婚式の日になった。

この日のために、ドレスも結構考えた。

ゆっくりは家で留守番なはずなのだが、どうせ誰かが連れてきて忍ばせてるから後で返してもらおう。

「入ってもいいか？」

「大丈夫だよ」

黒いスーツに身を包んだグル君が扉の向こうから現れた。

「……なんでAまで黒色なんだ」

「だってグル君の隣なら黒じゃない？」

ふふと笑うと少し照れたように赤くなった。

「入るでー！っておお！似合っとるなぁ！！やっぱり黒が似合うわ！！！！」

「流石黒坂に惚れこまれた人やな、黒坂の隣だと輝いて見えるわ」

「黒坂もよかったな、ついにゴールインか。」

「蒼元と水崎君に赤城君！？えっ、ホントに来てくれたの？？？」

「なんならメンバー全員おるで。

忙しいだろうに白鐘まで来とった。」

「え"！？！？」

「ひとらん先生わざわざここまで来てくれたんか……」

「先輩あとで写真撮ろうやぁ」

「いや蒼元、それはいいんだけど……ええ、白鐘来てくれたんだ……」

しばらく話せてすらなかった後輩を思い浮かべて思わず目頭が熱くなる。

「さて、騒ぐだけ騒いだし見るだけ見たから戻りますよお二人さん」

「ええーもうちょっといたいわ……まあ二人っきりになりたいやろうしいいか、じゃあね先輩また後でな～」

「おん、戻るか！

じゃあお二人さん後でな！お幸せに！！！」

嵐のように3人が退出して、静けさが戻る。

「……何年経っても変わらないね」

「ホントだゾ。」

部屋に二人分の控えめな笑い声が響いた。