ep.50 ページ1
藤原side
部屋の中には、古謝と今江のところに、リチャを連れて行った、末澤とリチャ以外の全員がいた。
「あいつの目的は、この街です。
今まで、政府すら手を出さなかった、いや迂闊に手を出せなかったこの街を、取れば、あいつの政府においての立ち位置はさらに勢いを増すから。
2年前のことは良くは知りません。だけど、おそらく、前回も、それから丈くんの襲撃も、
あいつが仕組んだことだと思います。」
佐野は、まっすぐに俺の目を見ていた。
「自分が、してきた事は、この街への裏切りで。許されない事やってわかってます。だから、俺を殺したって構わない。」
「晶哉...！」
思わず声を出した、流星を無視して、佐野は続けた
「だけど、あいつはまた同じことを計画しているはずです。2年前の失敗はあいつの想定外の事やった。この街を舐めてたんです、きっと。でももう同じ失敗はしない。次はもっと綿密に計画を立てて、中から潰そうとするはずです。」
「その、一部がお前を送り込んだ事やった。そういう事やな？」
「っ...はい。」
「まあ、俺たちは、この街には最近入ってきた、新参者や。だから、お前の事をどうするかなんて、俺たちには関係ない。末澤らに任せるわ。」
「えっ.....。」
「俺の仲間がお前によって傷つけられたわけでもないしな。」
佐野はびっくりしたような顔で俺を見た。
「2年前を繰り返さないために。俺たちがいる。俺らも、お前らも覚悟してるやろ？国相手に喧嘩するってことの意味が。」
そう部屋にいる全員に問いかけると、みんな真剣な顔で頷いた。
「もう、誰も失わない。」
・
・
・
部屋を出る直前２人きりになった瞬間、佐野に声をかけた。
どうしても確認しておきたかった。
「おい、佐野。」
「はい。」
「林真鳥って名前に聞き覚えはあるか？」
「...はい。」
推測が確信に変わる瞬間。
わかっていたはずなのに
真実を知った瞬間、頭を鈍器で殴られたみたいな鈍痛が襲った。
「この街のことを教えてくれたのは真鳥くんでしたから....。今は、父の側近です。」
「まとくんは......敵なんやろうか。」
「.....わかりません。」
なあ、まとくん 。
まとくん は俺を見つけてくれたやん。
新しい世界をくれたやん。
なんで、なんでなん。
俺、どうしたら良いん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 532人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぞれ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！続きが気になりすぎます…！ (2021年8月21日 0時) (
レス) id: 7558808ebf (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - 自粛期間に読んで久しぶりに読み返してました！お忙しいと思いますが続きも楽しみにしています！ (2021年4月18日 18時) (レス) id: 273a6c7f25 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 更新!!待ってます!!!!!!! (2020年5月30日 10時) (レス) id: 6f297082fe (このIDを非表示/違反報告)
Maho - 続編すごい嬉しいです！こういう感じの小説好きです！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年4月18日 7時) (レス) id: b282a5f7e5 (このIDを非表示/違反報告)
きゃなえ(プロフ) - この小説とてもワクワクします！更新頑張ってください！！ (2020年4月12日 21時) (レス) id: 2c23ce6797 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雫 | 作成日時：2020年4月8日 7時
