聞こえますか、この声が。 (ページ2)

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ep.2 ページ2

恭平side

目の前で繰り広げられる光景は

死ぬ前に神様が俺に見せた夢なんかって思うくらい、政府軍の奴らは突然現れた黒い影になすすべなく、全員地面に倒れ伏した。

「はあっ？はぁ？えっ？」

いやいやいやいや、出来過ぎやん。あまりにも。

信じられん気持ちのまま、後ろを振り返ると、泣きすぎて顔面が溶けてる長尾と、ちょっと怒ってるみっちーの顔が目に入ってきて、やっとちょっとだけ安心した

「恭平ぐん゛ん゛んんんん」

「長尾、やめろ！抱きつくな！」

「恭平。」

「ん？なに、みっちー。」

「今度、あんなこと言うたら、本気でぶん殴るからな。」

そう言ったみっちーは涙目で、悪いことしたなってちょっと反省した。

「俺を置いて逃げろ！」なんて言うキャラちゃうかったけどなぁ。

でも、不思議とこの二人のためなら言えたんよ。自然と口から出てたって言うか？まあ、今はそんなんどうでもええ。

黒いフードを目深に被った4人組。

誰かはわからんけど、俺らを助けてくれたことは確か。

そして、死ぬほど強いんも確か。

「なあ、丈くん、こいつらで合っとるよな？」

「おう。長尾、道枝、高橋。政府の奴らが２４時間血眼で探してる粛清対象。」

「な、なんで俺らの名前！！」

「なあ。」

リーダーっぽい人が一歩前に出る。

俺ら3人からはその人の口元しか見えないけど、かすかに口角が上がってて、微笑んでるのがわかった。

「俺らと来たら、もう後戻りはできへんけど、

それでも付いてくる覚悟はあるか？」

「ある。」

あんな所にはもう戻らへん。死んでも。

「連れてってくださいよ。どこにだって。俺ら3人一緒におれるんやったら、なんも文句言わないんで。」

「そっか。なら、おいで。」

みっちーと、長尾の顔を見る

俺を見て頷いた二人の肩を抱いて

フードの人らの後ろをついていく

いつの間にか、雨は止んでいた。

東の空が白む。そろそろ朝や。

この腐った世界にも、毎日、朝日は昇る。