聞こえますか、この声が。 (ページ12)

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ep.12 ページ12

大橋side

「あ、はっすん！みっちーも。待ってたで。」

「遅くなってごめんなぁ。」

リチャが運転してくれたアジトに着くと、そこには俺ら2人とあと丈くん以外の4人が揃っていた。

それから。

「あ、大橋くん2日ぶりっす。」

「あ、正門や～。」

正門は俺のカフェによく来てくれんねん。

情報集めるには目立ちすぎなリチャと、足のせいであんまり遠くには行けんすえざわの代わりに、正門は情報を集める部隊のリーダー的存在。まあ、ほんまのリーダーは他におるんやけど。

正門が持っている政府の情報は、俺らにとっても使えるものが多くて、重宝してる。

「あ、その子がみっちー？」

「あ、はい。そうです。」

「俺、正門。よろしくな。こっちに座っとき。」

「あれ、正門。他の子らは？」

「すんません。さっき、ゴロツキ達が暴れてるって情報入って、こじけんと晶哉と大晴で退治に行かせてるんですよ。そろそろ、帰ってきてもええ頃なんですけどね。」

「その3人で行かせて大丈夫なん？？」

こじけんは、変わったやつでヤバい薬品とかいっぱい使って爆薬とか作っとるし、大晴はまあ運動神経良いけど、晶哉はちょっと心配やな。

「ああ、大丈夫っすよ。晶哉、最近強くなってきてるんで。」

「そーなん？」

「俺とかリチャくんが稽古つけてるんすよ。誠也くんもたまに。だいぶマシになってきましたよ。」

成長やなぁ。

なあ、丈くん

2年で色々変わっとるよ。

知らんこともいっぱいあるよ。

俺、知っとるよ。

今でも、スラム街のこと気にしてんの。

スラム街に政府の手が回らんように、サイバー攻撃したり。

監視カメラの電源切ったり。

やから、もうええやん。

自分のこと、許したってもええやん。

もう十分苦しんだやん。

って俺は思うねんけど。

『俺が、行ったって意味なんかない。あいつらに嫌な思いさせるだけや。』

まだ、時間はかかりそうやな。

すえざわと丈くんの悲しそうな顔が、ふたつ頭に浮かんで。

なんか、俺まで悲しくなってまう。