第１０話 ページ10
Aside
私は暗闇の中に座り込んでいる。
ずっと歩き続けているけど光は見えてこない。
どれくらい歩いているかな。
足も段々疲れてきて、とうとう座り込んでしまった。
A「誰かー、居ませんかー？」
呼びかけているのに返事が返ってこない。
ふと前を見ると今まで光なんて見えなかったのに、ポツンと光が見える。
疲れていたはずなのに立って光の方に歩き始めた。
光に近づくと声が聞こえてきた。
？「・・・A？分かる？」
？「A？」
Aって誰？
もしかして私の名前？
ずっと自分は何者なのか考えていたけど名前も思い出せなくて
どうしてここに居るのか分からなくて辛かった。
もしかしたら光の向こうに居る人が私の事を知ってるかもしれない。
そう思えたら自然と歩くスピードが早くなった。
近づくと光に包まれた。
その瞬間、手が温かく感じた。
そっと目を開けてみると白い天井が見えて何人もの男の人が私を覗き込んでいた。
周りを見ると何人かは泣いているのか目元が赤い。
そして何より光に包まれた時、手に温もりを感じたのは右側に居る男の人が
握っているからだ。
男の人たちは口を揃えて“良かった”と言ってる。
私は何が起こっているのか分からない。
するとドアが開いて白衣を着た人が入ってきた。
医者「初めまして、私は喜多川Aさんの主治医です。」
A「喜多川A？って誰ですか？」
医者「喜多川Aというのは、あなたの名前です。覚えてませんか？」
A「分かりません。」
医者「そうですか。では、こちらの方は誰か分かりますか？」
先生は私の手を握ってる人の事を聞いてきた。
男の人は、じっと見てくるけど私は誰なのか分からない。
男の人には申し訳ないけど
A「すみません。分かりません。」
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作者名：LDH@EXILE TRIBE | 作成日時：2017年11月22日 13時
