俺たちの紅一点 (ページ17)

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第１７話ページ17

慎太郎side

大我「ホントに覚えてない？」

Aと、きょもとの間に、そんなことがあったなんて知らなかった。

きょもは、もう１度、Aに話しかける。

A「すみません。」

Aは目に涙を溜めて、きょもを見た。

大我「・・・そっか。分かった。」

きょもは落胆していた。

それから俺たちはAが失った記憶の部分を話した。

するとAは、だんだん笑ってくれるようになった。

その笑顔は記憶を失う前と変わらない笑顔だった。

変わらない笑顔なのに・・・それなのに俺たちの事を覚えてないなんて・・・。

そんなの悲しすぎんだろ・・・。

話してるうちに夕飯の時間になり看護婦さんが食事を持って来た。

看護婦「あら、今日は賑やかですね。」

優吾「うるさくしてすみません。」

看護婦「大丈夫ですよ。喜多川さんの病室は意識が戻るまでの５年間、静かでしたから。
　看護婦の間でも話してるんです。
　 ”このまま記憶が戻ってくれたらいいのにね”って。」

大我「Aの事、よろしくお願いします。」

大我は床から立ち上がり看護婦さんのとこまで来て頭を深く下げた。

普段は頭を下げたりなんかしない、きょもを見たとき
どれほどAの事を思っているか分かった。

そしてきょもが頭を下げ続けているのを見て俺たちも自然と頭を下げた。

SixTONES「よろしくお願いします。」

看護婦「ふふ(笑)分かりました。しっかりとお世話させていただきます。」

看護婦さんは病室から出て行った。