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意識が覚醒し、初めに視界に入ったのは見慣れた天井だった。
「やっと起きましたね。調子はどうですか？」
私の顔を心配そうに覗き込んでいるのは、先程の男…ではなくエーミールさんだった。
「エーミールさん？どうして…」
「連れ去られそうになっていた貴女を偶然見かけたので、彼らを追い払ってから自宅に連れてきたんです。怪我はありませんか？」
起き上がって確認したところ、外傷は無いし痛いと感じる場所も無い。私は首を横に振った。
「それなら良かったです。…ああ、男達ならもう二度と襲ってくることは無いのでご安心を」
彼は安堵の表情を浮かべる。浮気するくらい私に飽きているはずなのにどうしてそんな顔をするの。
「助けていただきありがとうございます。もう大丈夫なので私はこれで」
「待ってください！」
私が立ち去ろうとした次の瞬間、エーミールさんに腕を強く掴まれた。
「その…色々と謝らせてください。それと貴女にはちゃんとお伝えしなければならないことがあるんです」
「今更弁明なんて…」
「この話さえ聞いてくださればもう貴女を追いかけることはありません。どうかお願いします」
「……わかりました」
「…！ありがとうございます。では、今から私に着いてきていただけますか？」
エーミールさんは私をマンションの地下へと案内した。そもそもマンションにこんな場所があったなんて驚きだ。
少し緊張しながら階段を降りると、そこには倉庫が広がっていた。その中に置いてあるものの大半が銃や爆弾、よくわからない薬品など物騒なものばかりだ。いずれも丁重に管理されている。
「これって…」
「私が取り扱っている"商品"ですよ」
「え？」
「表向きでは大学教授を名乗っていましたが、私の本当の職業は武器商人なんです。普段は商品をこちらに保管しているんですよ。…あ、どれも危険ですので触らないように」
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