swan (ページ14)

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初めて女が海賊のキャプテンになった、有名な船だ。

その船はマストが深みのある青で、全てが白い、この世で1番美しいと言っていいだろう。そんな船だ。

1度あの船のキャプテンに会ったことがある。

どこを見ても美しく、逞しかった。

青い大きな三角帽子に大きな白い羽が1つ、海風に掠められた横顔は絶対に忘れられないだろう。

あのエンドロール号に出会う海賊は少ない。

それは海賊船だとは思わないほどに美しいからだ。

確かに、何処かでは出会っているはずだ。

ただ見えないだけでな。

エンドロール号の由来を知っているか？

あぁ、そうか、分からないか。

北の海に浮かぶカシオペアがマストに透けるからだ。

ムラなく、綺麗に透ける。

本当にエンドロールだ。

その船員は青が好きでな。

それはキャプテンが愛しているからだ。

キャプテンの着る海賊服は他の海賊とは違う、汚れていない、綺麗な青い海賊服だ。

出会った頃のキャプテンには1人の娘が居た。

綺麗な青色の瞳が宝石のようだった。

キャプテンが見つめる娘は宝よりも大切なもののようだったことはしっかりと、今でも覚えている。

このエンドロール号の海賊達は色々な宝を探し求めて居たが、本当の目的は別にあるらしかった。

それは何か。

ラリマーの指輪だ。

探す意味、その指輪の持つ意味は分からないが、

キャプテンは魅力的な声で言った。

“ この先の未来のために、探しているの ”

詳しくは知らねぇが、な。

少しばかり長い旅を俺様とジャックと、あのキャプテンと過ごし、

別れて……数十年か。

そして2年前、

気づいたらエンドロール号は沈んでたんだよ。

オストー･フィレナ号って言うこの世の悪を集めて出来たような、劣悪な船の船長ティアマトって奴によって、沈んだ。

そのキャプテンも船員も、あの、娘も

どうなってるかは分からねぇ、

船は、沈んでる。

ただ娘は…生きてると言える。

なぜかは、後に分かる。

さて、なぜ今回のお宝を狙っているのか、

アンドロメダの瞳とケフェウスの青い帆、このふたつはエンドロール号を護っていると言った。

だか、もうひとつ、効果がある。

この宝を船に付ければ、その船は護られる、プラス、永遠に生きる。

そして、復活できる。

覚えておけ、テティス。

これはきっと役に立つ。

さあ、戻れ。

また何か聞きたくなれば俺様のところに来るがいい。

話せるものなら、話そう。

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