swan (ページ13)

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「はぁっ、…」

頭に流れ込んできた情報に戸惑いながら、

舵をとるバルボッサ船長を見る。

「…？」

紙を片手にバルボッサ船長は顔を顰めた。

私は自然と足が動きだし、

階段を登り、バルボッサ船長に声をかけた。

「バルボッサ船長。」

びっくりしたように振り向くバルボッサ船長。

「北のカシオペア座に向けて船を進めているのですか？」

そう質問すると片眉を上げて

そうだ。

と短く返事をした。

「その地図、見せて頂くことは可能で…」

言い終わる前にバルボッサ船長は私に地図を差し出した。

バルボッサ「見るがいい。」

見せてはくれないと思ったが案外軽くくれたので地図に目を通した。

「このまま進むと北から外れて、北北西に進む。北北西に進んで後に北にズラすのもいいけれど、その途中の海できっと亡霊が集まってくるはずよ。」

バルボッサ「…」

「今、方向を変えた方が…っ、良いわ。」

自然と私は舵を握って、5週回す。

そして追加で3回回した。

ハッと気がつくとバルボッサ船長は私をじっと見ていた。

「すみません、バルボッサ船長。勝手に舵を取ってしまいました。」

エンドロール号について知りたかったと思いながら頭を下げ続けた。

バルボッサ「顔を上げろ、テティス。お宝への近道だ。別に気にする事はない。」

怒ることなく、逆に優しく言ったバルボッサ船長はまた舵を握る。

「バルボッサ船長、」

バルボッサ「なんだ、ス……テティス。」

何故スが入ったのは気にせず、私は話し続けた。

「エンドロール号について、教えて頂けないでしょうか。」

バルボッサ「……良いだろう。」

そう静かに答えたバルボッサ船長は舵取りをすぐ側にいた船員に任せ、歩き出した。

バルボッサ「エンドロール号は…」

そう話されていくのは

既視感のある話だった。

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