swan (ページ2)

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チップ「ねえ、シャシャ。」

シャシャ「なんだい、チップ。」

チップ「ポルトパラディーゾの人達とは仲良くなれないのか？」

シャシャ「さあ？シャシャはなりたいけど皆がどう思ってるかは分からないよ」

バルボッサ海賊団の中で1番下っ端の2人は船から離れ、

日が水平線に沈む頃、砂浜をゆっくりと歩いていた。

チップ「…ねぇ、シャシャ」

シャシャ「次はなんだい？」

チップ「…あれって…人？」

歩く速度を遅くしたチップは大きな岩を指さした。

シャシャ「…見に行ってみるか？」

チップ「うん、行こう！」

2人は走って岩に辿り着く。

そこに居たのは白い、少しボロボロのワンピースを着た女。

チップ「お、おーい、…」

「…ん、」

シャシャ「…ジュジュビエーヌに報告しに行こう！」

チップ「うん！」

2人は来た道を戻り、甲板にいるジュジュビエーヌを呼んだ。

チップ「ジュジュ姐さん！！」

シャシャ「岩のところに人が倒れてるんだ！！！」

ジュジュビ「本当かい？」

ジュジュビエーヌを連れた2人は岩の所へ行き、

ほら、ここに…とチップは小さく呟いた。

ジュジュビ「チップ、シャシャ、ゴールドとカッテーナを呼ぶんだ。2人はそのまま戻ってていいよ。」

チップ「シャシャ、行こう！」

シャシャ「おう！」

チップとシャシャはまた船に戻る。

それを背に、ジュジュビエーヌは倒れている女の頬に手を当てた。

ジュジュビ「…冷たい…それにしても美しいな…」

ジュジュビエーヌは女を見て思う。

綺麗な鼻筋に長いまつ毛。

何処かの国の王女と言われても納得する程の美しさ。

ゴールド「ジュジュビエーヌ！呼んだか！？」

カッテーナ「どうしたんだ？」

後ろから2人がやってくる。

ジュジュビ「…この女、生きてんのかい？」

ゴールド「女…？」

ジュジュビエーヌの隣に膝を着くゴールドは

女の首元に手を当てて脈を確認する。

ゴールド「生きてる、まだ生きてるぞ。」

ジュジュビ「看病してあげることは出来るかい？」

カッテーナ「いいのか？…身元の分からない女のをいれて」

ジュジュ「そこは私がなんとかするよ。」

ゴールド「…なら、カッテーナ、運べるか？」

カッテーナ「余裕さ。」

カッテーナは女を優しく横抱きにし、3人で船へ戻った。

ジュジュビエーヌはなぜこの女を助けようと思ったのか。

それは本人にしか分からない。

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