２３話・ずっとずっと苦しい ページ23
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教室の窓からオレンジ色の夕陽がさしている。
その窓際に立つ少女は外を眺めていたが、不意にこちらに振り向いた。
「A、なんで私が怒っているか分かる？」
「…」
逆光であの子の表情が見えないでいた。
「あんた、ちくったでしょ」
「なんのこと」
とぼけているつもりはなかったが、相手にとってはそういうふうにしか見えなかったのか怒りに任せた力で胸ぐらを掴まれた。
「あんたが親にちくったって聞いてんのよ！？」
「親に…って…」
「あんたの父親が私の家に来て脅しにきたんだよ！娘をいじめるなって！！」
父親の姿が脳裏に浮かんだ。「(お父さんが仕返ししてやろうか？)」と告げてあの子の写真を手に持つ姿を。
「あんたって本当にどうしようもないクズね！人殺しの親に頼って自分の身の保身を守るなんて…いじめられて当然のお前が助けを求めてんじゃねぇよ！！」
Aが目の前が真っ暗になる感覚に陥った。ついに、あの父親が学校生活のことまで介入してきたのだ。
「それに、あんたが仗助くんにも手を出してるっていうじゃない」
「ーッそんなこと「ハッ、屋上で抱きしめあってたくせに」
「！」
「見てたよ。あんたが慰められて笑ってたこと…気持ち悪い。人が苦しんでる時に男を誑かして。だから、こうして放課後の教室に呼び出したの。分かる？」
Aは何も言わずに俯く。すると、体を思いきり押された。ドンッ！と尻餅をついて相手の顔を見るように顔を上げた。そこには…
泣いていた。
あの子が顔を歪めて苦しげに泣いていた。
「私はずっと…ずっと苦しい。お前のせいで親が死んで生活も何もかも上手くいかない。膨れ上がった借金を残したまま親を殺されて自分が返さなきゃってアルバイトに明け暮れてッ…いつも頭にあるのは金、金、金！！！」
体の上にあの子が覆い被さる。喉を震わせて怒りを静かに込めて言葉を繋ぐ。
「誰にも助けを求められない。学校の教師や友達なんてもっても他。だからストレスだけが溜まっていく。溜まって溜まってッ…この気持ちをぶつけるのはあんたをいじめること。あんたが苦しむたびに自分が救われた。それなのにお前は親に頼って私を脅して、学校では男に助けを求めて被害者面をする。そうやって幸せそうに笑ってる」
不意にポケットに手を突っ込んだあの子はカッターナイフを手に持っていた。Aが見開いて怯える姿に彼女は容赦なく振り上げた。
「許してやらない。お前は私が殺してやる」
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圧倒的睡眠不足(プロフ) - 知らず知らずのうちに完結されていらっしゃる...だと...ッ！？流れから文の書き方からオチまで全部素敵すぎて引き込まれてしまいました！素敵な作品をありがとうございます！ (5月7日 17時) (
レス) @page32 id: 33f559404d (このIDを非表示/違反報告)
匿名M(プロフ) - 圧倒的睡眠不足さん» コメントありがとうございます！前作も読んでいただき、今作まで…本当に嬉しいです！めちゃ良きなストーリー展開を続けられるよう頑張ります！ (11月19日 22時) (レス) id: 0253a37101 (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 前作ジョルノの小説も読ませていただいてました、新作もめっちゃ良き…！更新楽しみにしてます！ (11月19日 13時) (レス) @page3 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名M | 作成日時：2023年10月27日 10時
