■09:TOO LATE[手遅れ] ページ9
.
「てめーには関係のないことだ。おれはじじいを探している……広い屋敷は探すのに苦労するぜ」
「あぁ？ 広いって自覚あんだな空条お前」
「人をなんだと思ってる？」
「てっきり世間知らずな坊っちゃんかと」
空条の祖父(だと思う)は、他にアヴドゥルという人と茶室にいるらしい。俺にはどの部屋も茶室に見えるんだけどな、やっぱり目が肥えてる奴は違う。勿論誉めてない。嫌味だ。
空条はふと後ろを振り返ると、オバサンに向かって「今朝はあまり顔色がよくねえーぜ。元気か？」と質問した。それを聞くと、オバサンは驚いた顔をしたあと嬉しそうに「ファイン！」とか言って見せた。
あーあーあーあー！ 仲の良い親子なこった。人の変化にも気が付けるなんて余裕そうで羨ましいね。お人好しが目にみえてんだよ。
「？ 君は？」
「如月です。色々あってついてきた。お邪魔してます」
「わしはジョセフ・ジョースターじゃ。こっちはアヴドゥル」
「モハメド・アヴドゥル。よろしく」
そこにいたのは高そうなセーターを来た老人と、黒い肌が特徴的な男性。どちらも大柄で、わざわざ見上げなくてはいけない。どいつもこいつも俺を上から見やがって。正直言って日本人的な身長な俺が正常な筈だが、こいつらといると俺がイレギュラーに感じてくる。
ジョースター(さん)は、畳の上に花京院を寝かせた後様子を見て言った。手遅れだ、と。初めは花京院がつけた傷が悪いのかと思ったがどうやら違うらしく、ジョースターは花京院の額近くの髪の毛を捲って見せた。
「それはDIOの細胞からなる『肉の芽』。その少年の脳にまで達している。このちっぽけな『肉の芽』は少年の精神に影響を与えるよう脳にうちこまれている！」
「…なんだって？ おい待て、今ディオ…とかいうやつの細胞から出来ていると言ったな。人の細胞で一体全体どうやって脳にうちこんで、精神に影響を与えるってんだ？ 俺は数多の医療の本だって読んできたけどな、そんな細胞聞いたこともねぇぜ」
ジョースターは俺を見ると、「君がDIOの存在を知らなくても仕方あるまい」と、後で説明すると言われた。何処までも虚仮にされているようで腹が立つ。
要は、そのDIOという奴の細胞からできた『肉の芽』が花京院の脳に打ち込まれ、花京院はその肉の芽の影響によってそのDIOへの忠誠の気持ちを持った。そして、DIOと何らかの因縁があるのか空条を襲ってきた。
…どうやら、相当物語は拗れているらしい。
■10:PRECISION[精密]→←■08:LEAVE EARLY[早退]
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カレーライス(プロフ) - 鼎さん» ありがとうございます！ そう言ってくださると、モチベーションが上がって書くのが楽しくなります！ これからもよろしくお願いします！ (2019年11月26日 21時) (
レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - すっごい面白いです…一気読みしてしまいました…！更新はご自分のペースで無理をなさらない程度に頑張ってください...！ずっと応援してます！ (2019年11月25日 7時) (レス) id: 7b1eca840c (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - ASTEさん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2019年8月16日 12時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
ASTE(プロフ) - めっちゃ好きです！！！更新頑張ってください！！！ (2019年8月15日 19時) (レス) id: 2389d4e467 (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - ツティスさん» 感想を言って頂けて嬉しいです。これからも、龍兎たちをどうぞよろしくお願い致します！ (2019年8月10日 16時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
