■17:FAIR AREGUMENT[正論] ページ17
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「頭突き……ッッ！」
物凄い勢いでゴヂンと思い切りぶつかったのは、
想定外だった。そうだ、殴るだけがスタンドじゃあない。蹴りも頭突きも出来るんだ。抜かった。俺の中の“殴る”という空条へのイメージが、凝り固まった思考を作った。
「俺は…“正義”じゃない。…自分の力を、お前らみたいに…誰かを助けるために、使えない。人助けは、向いてないんだよ……！」
「如月、お前が言っている事は少しも間違っちゃあいねーぜ。正論だ。…お前の教科書…ふやけたり破れたりしているが、何より、俺の教科書より遥かに出版年が昔だ。ばあちゃんと二人暮らしのお前が、１日生きる事に必死なのは当然だな」
バキッ、と何かが折れるような音がした。気が付くと、空条に殴られていた。その激しい痛みで気が飛びそうになるのを阻止できたが、痣になりそうなほどじんじん痛む。
起き上がろうとすると、目の前がすっと陰る。
「ひとつ質問なんだが…テメーはなんで今苦しそうなんだ？」
「……」
「俺はお前が旅についてきてくれるんだったら、その今苦しんでる理由の…“他人の為に力を使えるようになる”方法も教えてやるがな。他人を助けるようになる為の、“お前の為の”」
俺の手のひらより大きくて、それでいて逞しい手が目の前に差し伸べられる。ふざけんなよ。そんな風に言われたら、俺がついていく雰囲気になるだろ。嫌いなんだって、巻き込まれるのは。
自分が苦しそうな顔をしているなんて、気づきもしなかった。感情は、いらないと何処かに放り投げてしまったから。
「…俺は旅費払わねえぞ。一円もな」
「フッ、ああ」
ごめんおばあちゃん、俺やっぱりダメだ。正義なんかになれないくせして、憧れてる。なれるとまだ思ってる自分がいる。いいかなぁ、たまには我儘言っても。我儘を許してくれるなら──空条の手を握ってしまった俺を、怒らないで。
「命を危険に曝すのは御免だぜ、“承太郎”」
やっぱり性格が良くなる兆しはない。どうせ裏切られるとか、嫌われるとか、そんな思考を繰り返している。いや、もしかしたら裏切るのは俺なのかもしれない。でもそれでも皆が俺を信じてくれるというなら──、本当の自分を、話せるかもしれないと思った。
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カレーライス(プロフ) - 鼎さん» ありがとうございます！ そう言ってくださると、モチベーションが上がって書くのが楽しくなります！ これからもよろしくお願いします！ (2019年11月26日 21時) (
レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - すっごい面白いです…一気読みしてしまいました…！更新はご自分のペースで無理をなさらない程度に頑張ってください...！ずっと応援してます！ (2019年11月25日 7時) (レス) id: 7b1eca840c (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - ASTEさん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2019年8月16日 12時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
ASTE(プロフ) - めっちゃ好きです！！！更新頑張ってください！！！ (2019年8月15日 19時) (レス) id: 2389d4e467 (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - ツティスさん» 感想を言って頂けて嬉しいです。これからも、龍兎たちをどうぞよろしくお願い致します！ (2019年8月10日 16時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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