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「竈門少年、こっちにおいで。俺が今話せるところまで、君に話したいことがあるんだ」



杏寿郎は、こちらへ歩いてきた竈門くんに向かって今までに聞いたことのない程穏やかな声をだした。


「竈門少年。俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。命をかけて鬼と戦い人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ。……そうだろう、A」


「はい、その通りです」


私たちの言葉に、竈門くんは目を見開いた。



「胸を張って生きろ。己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。歯を喰いしばって前を向け。君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない」


胸を張って生きろ。

その言葉が師匠の最後の言葉に重なって、思わず涙がこぼれそうになる。



「俺達は多分、もう刀を握ることはできない。しかし、気にするな。柱ならば後輩の盾になるのは当然だ」


「…柱ならば、誰でも同じことするでしょう。若い芽は摘ませない」


杏寿郎の言葉を引き継いで、竈門くんに微笑みかける。


「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年。もっともっと成長しろ。そして、今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。俺は信じる。君たちを信じる」


三人は、涙を流すのを堪えて私たちの話を聞いてくれていた。




師匠、私、ちゃんと守れましたよ。

杏寿郎も、仲間も、乗客も、全員。




「A」


空を見上げていると、隣から杏寿郎の声が聞こえた。

彼の顔を見れば、優しい瞳が私を映す。









「"君は、俺が愛する唯一の女性だ。今までも、これからも"」





その言葉に、私は思わず目を見開いた。



思い出した。
ようやく、思い出したのだ。




杏寿郎の、最期の言葉。








『千寿郎くん………杏寿郎の、私への遺言は何?』



何度もそう聞く私に、千寿郎くんは嫌な顔一つせず答えてくれたのだ。



『君は、俺が愛する唯一の女性だ。今までも、これからも。………兄上は、そう仰っていたそうですよ』




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フェイタン - すーーーっごくよかったです!!(泣) ありがとうございましたーー!!!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さんの嫁になりたい(プロフ) - どうしてくれるんですか……バスタオルがびしょ濡れなんですけど!私を脱水症状にさせる気ですか!最高でした有難うございます! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 凄く面白かったです!ありがとうございます!他作品も頑張って下さい! (2019年11月3日 19時) (レス) id: 96dd58bc45 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - 眞孤さん» コメントありがとうございます!私も師匠大好きなのでとっても嬉しいです! (2019年10月29日 19時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
眞孤(プロフ) - 今日見つけて一気に読んでしまいました…!とっても面白かったです!特に師匠が好きでした…オリジナルで書けるなんてすごいです!( ´艸`)とっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年10月28日 2時) (レス) id: 38cda14dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月12日 13時

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