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今すぐに抱き締めたかった。
身体中で、貴方の生を感じたかった。


しかし、私はもうこの人の妻ではない。

"今初めて出会った、ただの鬼殺隊士"だ。



「私は雪園Aです。よろしくお願いします」


それだけ言って、目の前に差し出された手を握った。

大きな手。
大好きな温もり。


涙が出そうになるのを堪えながら、名残惜しくもその手を離す。


「そうか!君は何に困っていたのだろうか!」


思い出したかのようにずいっと顔を近付けてくる杏寿郎に、少しドキッとしてから一歩後ずさる。


距離感が、掴めない。



「歌舞伎座の中には、鴉を入れられないと聞いて…」


腕に乗る鴉を杏寿郎に見せ、ぎこちなくそう言った。

他人として話すのはなかなか難しい。



「それなら問題は無い!羽織の中に鴉を隠して入れば良いだけだ!」


「それで良いのですか?」


「あぁ!俺は何度もこの方法で鴉と共に歌舞伎座に入った!!」


胸を張ってそう答える杏寿郎に、思わずクスリと笑みを零す。

あぁこの人は変わらない。

そういえば杏寿郎は、任務終わりによく歌舞伎を見に行ったと言っていた。
そうだ、そう。杏寿郎は歌舞伎を観るのが好きだった。
私は寝てしまうからといつも断っていたけれど、一度くらいは一緒に観ても良かったかもしれない。


「む!何かおかしかっただろうか!」

「いえ、何でもありません。…そろそろ入りましょう」


そう言って、彼と並んで歩き出す。



ほんの少しだけ、杏寿郎と共に過した日々に戻ったような気がした。






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フェイタン - すーーーっごくよかったです!!(泣) ありがとうございましたーー!!!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さんの嫁になりたい(プロフ) - どうしてくれるんですか……バスタオルがびしょ濡れなんですけど!私を脱水症状にさせる気ですか!最高でした有難うございます! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 凄く面白かったです!ありがとうございます!他作品も頑張って下さい! (2019年11月3日 19時) (レス) id: 96dd58bc45 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - 眞孤さん» コメントありがとうございます!私も師匠大好きなのでとっても嬉しいです! (2019年10月29日 19時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
眞孤(プロフ) - 今日見つけて一気に読んでしまいました…!とっても面白かったです!特に師匠が好きでした…オリジナルで書けるなんてすごいです!( ´艸`)とっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年10月28日 2時) (レス) id: 38cda14dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月12日 13時

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