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通りを歩きながら、雪園はすまなそうに俺に謝ってきた。


「ごめんなさい、煉獄さん。村の人たちがあんなことを…」


「なに!気にする必要はない!…ここは君の故郷なのか?」


疑問に思っていたことを口に出せば、雪園はまた寂しげな表情になった。
瞼を伏せ、しかし口元の笑顔は絶やさずに語り出す。


「この村は、六年前に私と、私の師匠が鬼と戦った村なんです…村の人は全員無事で、前雪柱である鏡璃羽久卯という私の恩師だけが命を落としました」


「なるほど、君の師匠だったのか…」


敬愛する師を失ったのだ。雪園は。
それでも尚、前を向いて進み続けている。


「立派だな、雪園は!」


いつもの通り、思ったことをそのまま言う。
すると彼女は、照れたように笑うと思いきや、寂しげな表情のままで首を振った。


「私は立派ではありません。弱い人間です。いつも鬼への憎しみに囚われてしまう」


あまりにもその声が辛そうで、俺は押し黙ってしまった。

なんと不甲斐ないのだろう。
こんな時に、何も言うことができぬとは。


「……なんて、そんなこと言っても困らせてしまうだけですよね!もうそろそろ甘味処に着きます。美味しいもの沢山食べましょう!」


雪園は、パッと表情を明るくして笑った。

無理をしているような笑顔に、胸が苦しくなる。


「…そうだな!俺は芋羊羹を食べようと思う!」


「良いですね!私も食べようかな…」



二人で和菓子の話をしながら、甘味処へ入った。



…母上、こんな時俺は、どうすれば良いのでしょうか。

笑顔でいて欲しい人に出会った時、俺はなんと声をかければ良いのでしょうか。



心の中でそう問うたが、何も返っては来なかった。


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フェイタン - すーーーっごくよかったです!!(泣) ありがとうございましたーー!!!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さんの嫁になりたい(プロフ) - どうしてくれるんですか……バスタオルがびしょ濡れなんですけど!私を脱水症状にさせる気ですか!最高でした有難うございます! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 凄く面白かったです!ありがとうございます!他作品も頑張って下さい! (2019年11月3日 19時) (レス) id: 96dd58bc45 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - 眞孤さん» コメントありがとうございます!私も師匠大好きなのでとっても嬉しいです! (2019年10月29日 19時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
眞孤(プロフ) - 今日見つけて一気に読んでしまいました…!とっても面白かったです!特に師匠が好きでした…オリジナルで書けるなんてすごいです!( ´艸`)とっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年10月28日 2時) (レス) id: 38cda14dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月12日 13時

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