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「Aさんじゃないかい!」
「なんだって?Aさんが!?」
「本物だ!Aさんだ!」
その通りに入った瞬間、雪園の名前を言いながら多くの人々がこちらへ駆け寄ってきた。
よもや、彼女はそんなに有名な人だったのか…
そう思いながら横にいる雪園を見れば、彼女の顔は綻んでいた。
「お久しぶりです…皆元気そうでよかった」
「それもこれも、Aさんと鏡璃さんのおかげだよ!…あんたこそ、元気そうで何よりだ!」
溌剌とした女性が、涙ぐみながら雪園の肩を叩く。
「そうだなぁ、鏡璃さんも、命を落としてまでこの村を守ってくださったからなぁ」
横にいた年配の男性も、目に涙を浮かべながら雪園を見た。
命を落とした…
鏡璃さんとは、一体誰なのだろう。
そんなことを考えていると、その女性は俺に視線を映しニヤリと笑う。
「あら、私たちったら邪魔しちまったようだね」
「ほんとだ、Aさんの隣に殿方が…」
気づけば、話題は自分へと変わってしまっていたようだった。
「こちらは煉獄杏寿郎さんよ」
隣で、雪園が村人へ俺を紹介する。
そうだった、名乗るのを忘れていた。
「鬼殺隊の炎柱、煉獄杏寿郎と申します!」
バッと勢い良くお辞儀をすれば、辺りから明るい笑い声が上がった。
「元気な人だねぇ!あんた、Aさんを泣かせたら許さないよ!」
「ちょ、止めてください!そんなんじゃ…」
「勿論です!絶対に泣かせません!」
よく分からないが、胸を張ってそう答えた。
泣かせない、という言葉に嘘はない。
そうだ、彼女は俺が守ろう!そうしよう!
「もう…」
隣で困ったように、しかし嬉しそうに微笑む雪園。
ここは、活気ある素敵な村だと思った。
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フェイタン - すーーーっごくよかったです!!(泣) ありがとうございましたーー!!!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さんの嫁になりたい(プロフ) - どうしてくれるんですか……バスタオルがびしょ濡れなんですけど!私を脱水症状にさせる気ですか!最高でした有難うございます! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 凄く面白かったです!ありがとうございます!他作品も頑張って下さい! (2019年11月3日 19時) (レス) id: 96dd58bc45 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - 眞孤さん» コメントありがとうございます!私も師匠大好きなのでとっても嬉しいです! (2019年10月29日 19時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
眞孤(プロフ) - 今日見つけて一気に読んでしまいました…!とっても面白かったです!特に師匠が好きでした…オリジナルで書けるなんてすごいです!( ´艸`)とっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年10月28日 2時) (レス) id: 38cda14dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月12日 13時