* ページ12
・
「胡蝶!Aの様子はどうだ!」
「まだ眠っています…でも、明日には目覚めると思いますよ」
「そうか!…原因は何だったのだろうか!」
歌舞伎座の任務の翌日、胡蝶にそう話しかける。
もう次の任務があるため、俺はここを出なければならないのだ。
「…わかりませんね。本人に聞いてみるしかないと思います」
少し困ったように目を伏せた胡蝶は、そう言って雪園の眠るベッドを見た。
それに釣られ、俺も雪園の姿を捉える。
「煉獄さんも柱になるのですから、次の柱合会議では会えるのではないでしょうか?」
「む!それはどういう…」
「では私はこれで」
瞬きをした次の瞬間、胡蝶は既に姿を消していた。
柱合会議…
まさか、雪園は…
「雪柱、なのか!」
なるほど、だからあれ程の鬼を一人で。
前雪柱殿には継子がいたと聞いたが、まさかそれが雪園だったとは。
ゆっくりと彼女の眠るベッドに近付き、傍の椅子に座る。
「俺は次の任務へ向かう!次の柱合会議では、元気な姿を見せてくれ!」
少し声を抑えつつそう言って、俺はすぐに立ち上がった。
「いか、ないで…杏寿郎…」
バッと振り返り、雪園を見る。
スヤスヤと眠る彼女の頬には、一筋の涙が伝っていた。
雪園は、俺の事を"煉獄さん"と呼ぶ。
決して杏寿郎とは呼ばないはずなのだが…
「俺は君を、苦しめているのだろうか」
昨日初めて会ったはずの彼女が、酷く気になる。
雪園の涙をそっと拭ってやってから、今度こそ部屋を後にした。
・
678人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェイタン - すーーーっごくよかったです!!(泣) ありがとうございましたーー!!!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さんの嫁になりたい(プロフ) - どうしてくれるんですか……バスタオルがびしょ濡れなんですけど!私を脱水症状にさせる気ですか!最高でした有難うございます! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 凄く面白かったです!ありがとうございます!他作品も頑張って下さい! (2019年11月3日 19時) (レス) id: 96dd58bc45 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - 眞孤さん» コメントありがとうございます!私も師匠大好きなのでとっても嬉しいです! (2019年10月29日 19時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
眞孤(プロフ) - 今日見つけて一気に読んでしまいました…!とっても面白かったです!特に師匠が好きでした…オリジナルで書けるなんてすごいです!( ´艸`)とっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年10月28日 2時) (レス) id: 38cda14dee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月12日 13時