第五章 ページ2
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「"歌舞伎座"ってここのこと?」
「ソウダ!早ク入レ!」
隣をパタパタと飛んでいる鴉と共に、目の前にある、沢山の人々が出入りする建物を見上げた。
この歌舞伎座では観客が数十名も行方不明になるといった事件が起きているらしい。
そこに鬼の存在を感じ取ったお館様が、私に直々に任務を与えて下さったのだ。
意を決して人混みに混ざり、券を売っている女の人に声をかけた。
「すみません、入場券を一つ…」
「お嬢ちゃん、そこの鴉は入れないでおくれよ」
「あ、わかりました…」
チラリと鴉を一瞥してから代金を払い、鴉と共に一度外へ出る。
「オイ!俺ハ入レナイノカ!!」
「そうみたい…でもそれだと伝達ができなくなってしまう」
鴉は必須だ。
一体どうすれば…
「お困りのようだな!!君は鬼殺隊士か?」
「え…?」
歌舞伎座の前でしばらく頭を抱えていると、背後から突然声をかけられた。
快活な声。
はっきりとした物言い。
もしかして…
いや、そんな訳が無い。
そんな偶然_______
「う、そ」
ゆっくりと振り返った私は、思わず息を呑んだ。
ずっと声を聞きたかった。
ずっと傍にいたかった。
何度も「会いたい」と願った人が、目の前にいる。
「俺は煉獄杏寿郎だ!よろしく頼む!」
何も知らない貴方が、何も変わらぬ笑顔でその手を差し出す。
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フェイタン - すーーーっごくよかったです!!(泣) ありがとうございましたーー!!!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄さんの嫁になりたい(プロフ) - どうしてくれるんですか……バスタオルがびしょ濡れなんですけど!私を脱水症状にさせる気ですか!最高でした有難うございます! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 凄く面白かったです!ありがとうございます!他作品も頑張って下さい! (2019年11月3日 19時) (レス) id: 96dd58bc45 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - 眞孤さん» コメントありがとうございます!私も師匠大好きなのでとっても嬉しいです! (2019年10月29日 19時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
眞孤(プロフ) - 今日見つけて一気に読んでしまいました…!とっても面白かったです!特に師匠が好きでした…オリジナルで書けるなんてすごいです!( ´艸`)とっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年10月28日 2時) (レス) id: 38cda14dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月12日 13時