【A3!】攻略対象はゲームじゃなくて【ガチゲ組】 (ページ16)

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第11話光、のようなものページ16

自室に戻った私は、顔面蒼白だったようで。

いづみ先輩にとても心配された。

何があったのかと問われたけど、声が出ず、更に心配させてしまった。

きっと先輩はあの劇団でのトラウマが蘇ったなんて、思いもしないだろう。

だって、皆が知ってる茅ヶ崎さんはそんな事する人ではないから。

…私だって、まだ信じてない。

きっと二重人格なのかな、って良いように思い込んでて。

まあそれでも、声が出ないのだが。

｢取り敢えず、今日はもう寝ましょう｣

体調が悪くなったと思ったのか、私をベッドに促す。

私は素直に従い、布団に引きこもった。

時間を見ると、10時ちょっと前だった。

あぁ、守り人のランキング戦、今日最終日だったのに…なんて、いつかのように私は現実から目を逸らし、眠りについた。

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ここは、稽古場?

確か、私はさっき部屋に戻ってベッドに入ったはず。

辺りを見渡すと、春組劇団員といづみ先輩がいて。

私の姿だけ見当たらない。

耳を澄ますと私の陰口を叩いていた。
…あのいづみ先輩までもが。

____味方ナンテ誰モイナイ

____オ前ハ独リボッチ

そんな声が聞こえてきて。

ここから逃げ出したいと思っても何故か動けなくて。

『もう、嫌だ…』

その場にしゃがみこみ顔を下に向け目をぎゅっと瞑り、耳を手で抑えて全てを塞ごうとする。

それでも、声は頭の中に響き、光景は脳裏から離れず。

何もかも嫌になり、自暴自棄になりかけた時。

"A"

そう、優しく、宥めるように声を掛けられた気がして。

誰だろうと思い、顔を上げ目を開けると、私に向けて手を差し伸べている人がいた。

誰だかはわからない。
目の前が真っ暗だったのが急に明るくなったことで、眩しく感じていたこと、また何故だか逆光も重なり、顔を認識させてはくれなかった。

兎に角、誰かに助けてもらいたくて、手を取ろうとした。

けど差し出された手を取ることは出来なかった。

そこでの私は、ここで意識が途絶えてしまった。

To be continued…