第8話 不安 ページ12
時間は進み、現在18:40。
18時からの守り人のランキング戦にも無事打ち勝ち、稽古場に行くと既に茅ヶ崎さん以外の劇団員と先輩がいた。
『こんばんは』
そう声を掛けると挨拶が返ってくる。
『みなさん早いですね…あと茅ヶ崎さんだけ、かな?』
「自主練しようかなと思って、少し早めに来ました!」
そう微笑む咲也君は、演じる事を心から楽しんでるんだろうなと感じさせられる。
「ワタシは咲也に着いてきたネ!」
シトロンさんは…正直良く分からない。
宿無し留学生らしいけど、演劇についてはどう思ってるのだろうか。
「…監督がいるから」
…うん、この子は安定だ。
『…ちょっと、先行き不安だな』
なんて、呟いてみる。
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咲也君の自主練に付き合ってると時間になったようで。
「こんばんは。
…もう皆来てたんだね、待たせちゃってゴメンね。」
稽古開始時間ピッタリに茅ヶ崎さんは現れた。
「さて、至さんも来たことですし、稽古始めましょう!」
パンッと音を鳴らして両手を合わせ、空気を変える先輩。
その音をきっかけに劇団員全員整列し、また先輩が口を開く。
「えー、今日から至さんとシトロンさんが稽古に参加します。
綴君は脚本執筆のためにお休みです。」
「ヨロシクダヨ。」
「演劇経験ないから、迷惑かけるかもしれないだけど、よろしくね。」
「至さん、もう引っ越し準備はいいんですか?」
「必要なものだけマネージャーさんに手伝って貰って自分の車で運んできたから、あとは来週引っ越し業者に運んでもらうだけ」
そう言うと私に目線を向け、「昨日はありがとね」なんて微笑む茅ヶ崎さん。イケメンだ。
『い、いえ!当然の事をした迄ですからっ!』
なんて、キョドりながら返事をした私は周りから見たらなんだこいつ…状態だろう。
けど分かってほしい、あのスマイルを向けられたら誰だって挙動不審になるだろう。
そんなこんなで話は進み。
「では、今日もいつも通り準備体操と発声練習から始めますね。」
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「次は、簡単なパントマイムをやってもらいます。
セリフはなし、動作だけで、相手にシチュエーションを伝えてね。」
『先輩が出題者にお題を伝えますので、他の皆さんはゲーム感覚で当ててみて下さい!』
それじゃあ、最初は咲也君、と先輩は咲也君を手招きした。
To be continued…
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摂津至 - 凄く面白かったです!続きが楽しみです!更新頑張って下さいね(*^^*) (2018年3月10日 20時) (レス) id: 2c38c5a086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じぇま | 作成日時:2017年7月27日 2時