友から相棒へ。そして【ゲゲゲの鬼太郎】 (ページ3)

今日:25 hit、昨日:26 hit、合計:7,129 hit

とある人間界の話 1 ページ3

『そっちに行ったぞ！』

色とりどりの屋根の上を走りながら逃げゆく目の前のネズミを追っていた。

地獄で最も畏怖すべき存在は閻魔大王だが、その次に用心しておけと、有名になった鴉天狗のA。
地獄の法律も少し改変させたことのある、閻魔大王の補佐である五官王の補佐なのに何故そこまで地獄のことについて踏み込めるほどの地位を持っているのかは閻魔大王の補佐である全員も首を傾げる始末。

？「や、やばい！！
ぬ、ぬらりひょん様ぁあああ！！」

ネズミが大ジャンプし、茂みの中に逃げ込んだ。

屋根から飛び降り、茂みの中に入りひらけた場所に出るともうすでにそこにネズミは居なくなっていた。

『……っち、』

水木「逃げられたか？」

『ええ。
でも、あいつもぬらりひょんと繋がってるのはわかりました。
…俺が封印した妖怪たちが次々と解放されてるからおかしいと思ったら…』

水木「その封印って、何か弱点あるのか？
お前が封印した奴なら一生出て来れなさそうだけど」

『…許可なしの、封印は少し軽めにして誰でも外せるようにしてます。』

水木「その少しの遠慮なんだ？」

『じゃないと閻魔大王や五官王に叱られます！
私は、根はいい妖怪ですので』

？「何が、いい妖怪だ」

頭上から声が聞こえ、上を向くとそこにいたのは先程追いかけていたネズミとぬらりひょんの姿だった。

『……あれはね、完全に封印していいやつ』

水木「ただの爺さんだろ？」

ぬらりひょん「勝手に判断するな、爺さんと言うな！
良いか。次会った時はお主も、あのゲゲゲの鬼太郎も死ぬ日だからな」

？「ぬらりひょん様、こちらが…」

そう言って懐から取り出したのはいつの日か軽めに封印していたもの達だった。

ぬらりひょん「よくやった、窮鼠。
では、さらばだ。」

ふははははっ、と声をあげ笑いながら煙玉を投げ飛ばしその場からいなくなった。

『…逃げられたな、
あれは…盗みを働いてた奴だったような…遠くてわからなかったけど』

水木「…なあ、鬼太郎は…平気なのか？
あれって、いわゆる…宣戦布告」

『…御子息様を守りに行けば我々も死ぬと言うことか…』

水木「……なぁ、ちょっと寄り道しないか？」

ん？と首を傾げるAの腕を引っ張り、向かった先はたい焼き屋さん。

水木「ここの、クリームのたい焼きがうまいんだ。まだやっててよかった。
食べようぜ」